飲食品工場に使う超音波洗浄機の選定 - 必要な場面など細かく解説 -

超音波洗浄機というと医療業界で使われるイメージが強かったり、眼鏡屋さんに設置されているのを見かけたことがある方も多いと思います。
実は、人の手の届かないところまできれいに洗うことができる超音波洗浄機は、各業界の工場で多く採用されています。
飲食業界もその内のひとつで、食品工場に超音波洗浄機を導入することで大きな利益をもたらします。
本記事では食品工場向けに、洗浄機の種類・原理などの基本的な内容から、選定の仕方・どのような利益をもたらすのかといった具体的な内容まで説明していきます。
この記事を読むことで実は汚れていた部品が本当にきれいになる方法や、衛生水準を大幅に上げる方法がわかるようになります。

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洗浄機の種類

洗浄機は、使う洗剤・洗浄方法が多岐にわたります。
どこにこだわりたいか考えながら絞り込むことが大切です。
ここでは代表的な洗浄機(洗浄方法)の種類について説明します。

・シャワー洗浄機
二次洗浄(すすぎや仕上げの工程)によく使われます。デリケートなものに使われるケースが多いです。

・揺動洗浄機
他の洗浄機と組み合わせて使われることがあります。サイズが大きいものに適しています。

・真空洗浄機
気泡を除去して洗浄できるため、微細孔(小さな穴)が多い部品の洗浄を得意とします。他の洗浄機と比べると少し高価になるため、厳選して使用するのが効果的です。

・超音波洗浄機
最もメジャーな洗浄機。洗浄時間も短く、様々な洗剤が使えます。油汚れや接着剤などを物理的に落とすことができます。

洗浄機の種類によって、洗浄できる対象が変わることに注意が必要です。

超音波洗浄機とは

どうやら便利そうな超音波洗浄機。まず超音波とは何なのか。
超音波は人が聞くことのできる範囲を超えた音波のことを言い、数値で表すと振動数が20kHz(20キロヘルツ)以上の音波になります。
超音波洗浄機は超音波の小刻みな振動で汚れを取ります。この振動で人の手では洗えない隙間に洗浄液が入っていき、隅々まで洗うことができます。
しかし超音波洗浄の一番の魅力は、洗剤の「化学的作用」のほかに超音波による3つの「物理的作用」でしつこい汚れもしっかり取れるところにあります。
次の見出しで3つの物理的作用について説明していきます。

3つの物理的作用

3つの物理的作用とは、「キャビテーション」「水分子の加速度」「直進流」になります。

キャビテーションとは。超音波洗浄を見たことがあればわかると思いますが、洗浄中はずっと泡がブクブクしています。
超音波を液中に流すと真空に近い泡が発生し、その泡がまた超音波によって弾けていきます。
この弾ける衝撃をキャビテーションといい、超音波の周波数でキャビテーションの大きさを調節することであらゆる汚れに対応できます。

超音波を液中に流すと、水分子は振動・加速し、液体に直進流が発生します。
これにより汚れを剥がし、すすぐことが出来ます。
高周波数である方がこの効果は大きくなります。

低周波数の方がキャビテーションで油汚れなどの頑固な汚れを落とせます。
半導体業界など繊細なものの汚れを落とすのであれば高周波数にし、加速度と直進流を活かして落とすのが良いでしょう。

食品工場内で超音波洗浄機を使うべき場所・メリット

超音波洗浄機は、流すヘルツ数を変えることで様々なものを洗浄することが出来ます。

・付着物、しつこい汚れの洗浄
・ノズルの洗浄
・アイスクリームディッシャーのように形が複雑なものの洗浄
・包丁など手洗いが危険なものの洗浄
・油汚れ、乳脂肪分、動物脂肪分、タンパク汚れの洗浄
・香辛料や調味料などの汚れ、ニオイの洗浄
上記の洗浄は基本的に超音波の中でも低周波(28~44kHz)がおすすめです。

人の手で洗えないものもあれば、洗えていると思っていても実は洗い残しがあったりします。
ウィルス、食中毒対策などの衛生面で、超音波洗浄機の効果をより実感できます。
また、洗浄力を単純に上げるほかに洗浄効率(早く洗える)、自動化による人員削減、従業員の安全の確保、仕上がりの均一化の効果もあります。
これだけの効果があるため、一度超音波洗浄機を使うと手洗いに戻そうとはならなくなります。

超音波洗浄機の注意点

使い方

超音波洗浄機の使い方はとてもシンプルですが、以下の2点は気を付けましょう。
①洗浄液は、槽に対し半分以上入れます。ヒーター付の場合は、8割以上入れます。
洗浄液が無い状態・少ない状態での使用は故障の原因になります。
②振動ユニットの上に直接洗浄物を置いてはいけません。空焚きや異常な超音波振動となり、故障の原因になります。
すのこや洗浄ラックを使用しましょう。

洗剤の使用・振動子の劣化について

超音波洗浄機の物理的作用はあくまで洗剤の化学的作用の促進にすぎません。
つまり洗剤なしで洗浄機を動かしても油やタンパク汚れは落ちないのです。
汚れに合わせて洗剤を選択しましょう。超音波洗浄機は基本的に幅広い洗剤に対応できます。

超音波を発生させるための振動子は、使っていくうちに金属疲労を起こします。
そのまま使い続けると穴が開いてしまうため、振動子は定期的に交換するようにしましょう。
メーカーによって振動子が入っている振動ユニットと機械本体がセットになっているものやユニットのみ取り外せるものなどがあります。
交換タイミングは振動ユニットに独特な模様(エロージョン)が発生したときになります。

まとめ

周波数を変えることによって様々な汚れを落とせる超音波洗浄機は、現在多くの工場で重宝されています。
人員削減や洗浄クオリティの均一化を考える際、人の手では落とせない範囲まで洗浄可能な超音波洗浄機がお勧めです。
もし「超音波洗浄機が少し気になったけど詳細がもっと知りたい」等の悩みがある時には、プロにご相談いただくことが最良策です。
お悩みの際には、お客様のご要望に応えて超音波洗浄機を開発した弊社をご活用ください。

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