風量測定をはじめる方必見!風量測定のしかた

記事を見ていただきありがとうございます。今回のテーマは風量測定です。
換気が重要視される今日、風量測定ができるようになりたいですよね。
風量測定はどのように行うのか、その際、何を使うのかをお話していきます。
実際の換気量を知ることで、感染症の換気対策の基準を満たしているかの判断ができるようになります。

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測定前に確認したいこと

風量測定の必要性

風量測定には以下のメリットがあります。
・機器の異常を防ぐ
・機械が正常に動いているかどうかがわかる
・機械本体以外の異常(ダクトの塞がりなど)を防ぐことができる
・風量から一人当たりの換気量を計算し、還気対策の基準をクリアできているか確認ができる
・環境状態に(暑い寒いなど)何か異常が出た際に、風量のデータから原因を特定できることがある
・エアバランス調整時に参考データとなる

このように、換気がしっかりされていて快適な環境を維持するには定期的な風量測定が必須であることがわかります。
また、もし風量を気にせず放置し続けると、火災の危険につながります。
風量測定をまだ行っていない方は早めに実施することをお勧めします。

風量測定に関わる設備名称と基準

●よく出てくる設備名称

ダクト:気体を運ぶ管
制気口:空調用の吹出口・吸込口及び換気用の給気口・排気口等を総称したもの
天井扇:天井に取り付ける回転羽根のことで、室内の空気を循環させる。
換気扇:室内空気の排出や室外空気との入れ替えをおこなう。
ダンパー:ダクト経路内に可動する板を設けて空気の流れを調節する装置
排煙口:火災時の煙を屋外に排気することで避難を助ける装置
ブリーズライン:細長い開口形状の空調吹出口のこと
測定口:ダクトに設けられる風量測定を行うための測定口のこと
送風機:羽根車の回転運動によって気体にエネルギーを与える機械のこと
フード:外壁の給気・排気の開口部に取り付け、風雨や虫などが入ってこないように換気する天蓋のこと
防鳥網:鳥からの被害を防ぐための金網で、ダクトやフードに取り付けられる。


●風量測定の基準

風量測定に関する内容はJIS規格「空気調和・換気設備の風量測定方法(A1431)」(平成25年2月に廃止)、「送風機の試験及び検査方法(B8330)」に記載されています。

なお、吹き出し口、吸い込み口の規格は次のようになっています。
吹き出し口の測定方法
角ダクトの場合
断面の長方形を16以上の等面積に分け、それぞれの中心点で測定します。ただし測定点の数は区分した1つの長方形の辺の長さが150 mm以下になるようにします。64以上に区分する必要はありません。

円管ダクトの場合
測定する管路の断面において、互いに直角な直径上での各10点、合計20点を測定します。
測定した風速から、次の式を用いて風量を計算します。
風量(㎥ /min) = 60(sec) × 測定風速(m/s) × ダクトの断面積(㎡)

吸い込み口における測定方法
吸い込み口の内寸と同じ断面のダクトを接続します。
 ※このダクトの長さはダクトの直径または長辺の2倍とします。
この状態でダクト入口の中央1点で風速を測定します。
測定した風速から、次の式を用いて風量を計算します。
風量(m3 /min) = 60(sec) × 測定風速(m/s) × ダクトの断面積(m2)

次に、具体的な数字を使って、現地で計測する手順を説明していきます。

風量測定の方法

風量測定の手順

風量測定は、設置された換気設備の実際に吹出している風量を確認するための測定です。
しかし、意外なことに実際は風速計を用いて測定します。
風速計の測定単位は『m/s』であり、1秒に何メートルの風が吹いているかを測定します。
風量は、「㎥/h」の単位であり、1時間当たりの風量(㎥)のことをさします。
風速から風量への計算が必要になります。

1 風速計・メジャー(スケール)・脚立を用意します。
メジャーは吹き出し口・吸い込み口の長さを測るのに、脚立は手の届かない高いところに使います。

2 スケールで制気口の面積を測ります。
どこを測定すれば良いかわからない方は制気口を探してみてください。
制気口が見つかったら、制気口の高さ(m)と幅(m)を掛けて面積(㎡)を算出します。
m単位であることに注意です。
例えば500 mm × 400 mmの制気口の場合は、0.5 m × 0.4 m = 0.2 ㎡ になります。

3 風速計で風速を測ります。
風速は場所により異なるため、ダクト断面の数か所を測り、その値の平均を出します。
測定値を増やせば増やすほど、より正確な数値に近づいていきます。
また、風速計を制気口にまっすぐ向けて 測定することも重要です。
例えば4か所測定して、4.2 m/s、3.1 m/s、1.5 m/s、2.8 m/sの場合、平均の風速は2.9 m/sになります。

4 最後に風量の計算ですが、風量(㎥/h)=測定した風速の平均(m/sec)×ダクトの断面積(㎡)×時間の単位合わせで算出できます。
例えば2, 3で出た値を使うと、
2.9 m/s × 0.2 ㎡ ×3600 = 2088 ㎥/h になります。
3600は「m/s」の1秒単位を「㎥/h」の1時間単位に変換するために掛けます。
(1時間=60分=3600秒)

測定方法は以上です。
次は、種類がいくつかあるけどどんな風速計を使えばいいの?という点について話していきます。

風速計の種類

熱線式風速計とベーン(風車)式風速計

1 熱線式風速計とは
・測定原理
センサーの先端にある物体が風を受け、温度が下がった分を風速値に換算します。
・特徴
温度変化が少ない屋内での測定に適しています。
プラチナ線が用いられており、安定な素材で長期間精度が維持されます。
スペースが狭くても測定できます。
風速以外に風圧や温度も計測できます。
・おすすめの現場
室内設備の点検 
クリーンルームの空気環境調査
製造現場での室内環境調査

2 ベーン(風車)式風速計とは
・測定原理
ベーン(風車)で風を受けベーンの回転数を風速に変換します。
・特徴
測定中の温度変化の影響を受けにくいため、屋外でも屋内でも使用できます。
熱線式風速計と比較し、微風速域や風速が小刻みに変化する場所は適しません。
・主な用途
換気扇の風速測定
空調設備の排気測定
室内の対流測定
気象観測用

まとめ

このように風量測定は簡単にできますので、風量測定は現在の換気設備の風量がわからないときに確認する方法として有効な手段です。
また、現在の風量を知ることで、感染症の換気対策の風量が満たされているかの確認をすることができます。
また、建築基準法、ビル管法でも同様です。
さらには換気設備の不具合に気づくきっかけになることもあり、測定方法は知っていて損はありません。
よりよい換気環境づくりのために、換気量がどのくらいなのかぜひチェックしてみてください!

また風量測定後、風量が足りていない・換気基準がわからない、本当に問題がないのかを知りたいという方は、
プロへのご相談をお勧め致します。
換気は建物全体で換気設計されており、全体的な検証が必要となることがあります。
是非下記のお問い合せからご相談ください。
また風速計をお持ちではなく、換気の風量測定をご検討・ご依頼の方もぜひ下記からお問い合わせください。

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