
飲食店や食品工場等を営んでいると様々な問題や課題が出てくると思います。
今回は業務スケジュールの改善に役立つ「ビジネスフレームワーク」を紹介していきます。
こちらのビジネスフレームワークは業務の可視化、業務棚卸を目的としております。
是非飲食店や食品工場の業務改善をご検討される際に、お役立てください。
業務の可視化とは
業務可視化のメリット・デメリット
業務の可視化は、企業の経営資源の削減や生産性向上等の企業価値向上に向けての課題と向き合う重要なフェーズです。
自分たちの置かれた状況をまずは正しく認識することが、改善のはじめの一歩になります。
その為には、人によって行われている業務の内容や過程を分かりやすく整理する必要があります。
そこで役に立つのが業務の可視化です。
ここでは業務の可視化におけるメリット・デメリットを紹介していきます。
【業務可視化のメリット】
・業務の無駄や課題が見つけられる
業務を可視化することで、全体的な把握が可能となり無駄を省き効率化を行うことができます。
一般的に工場や飲食店においても、複数の人が盛り付け・配膳・仕込み・下処理等役割を分担しています。
自分の担当する業務内容で「無駄かも」と感覚的に感じていたことを、改めて可視化を行い業務全体を通してみても
省いても問題ないという確証を得られる場合もあります。
全体を通して考えられることでの大きなメリットと言えます。
・マニュアル作成・品質の安定化
業務全体の把握と、細かな内容を洗い出すことにより、誰しも全体的な流れを理解できるようになります。
またその流れと各業務をマニュアル化することで、属人的な業務の課題も解決することができ、
一人の人に頼らずに安定した品質を提供することができます。
また従業員の観点からは、自分が製造全体のどのプロセスを担っているのか把握することによる
目的意識を変える働きかけもできます。
・リスク管理に役立つ
各工程と全体工程をきちんと把握しておくことで、異物混入等の問題の原因調査にも役立てることができます。
またその後の対応策にも可視化できていることで、同じようなリスクを抱える工程にも伝達したりと応用を効かせることができます。
【業務可視化のデメリット】
・可視化のプロセスの手間暇
業務の工程や内容が多いければ多いほど、業務の可視化をする時間が増えてしまいます。
また詳細まで聞き取ろうとすると各担当からの聞き取り調査を行う必要があるかもしれません。
そのような場合、社内で協力をお願いしたりと大変時間と労力を要します。
業務可視化の取り組み例
業務を可視化するいくつかの取り組み例を紹介致します。
まずは現在拡大を続けている業務可視化ツールの利用です。
業務可視化ツールといっても様々な種類があります。
業務改善におけるマニュアル作成に役立つツール、業務可視化におけるデータ自動抽出や自動分析、
情報収集そのものを行うツール等があります。
ご自身の目的と費用対効果で合わせて選んでみてください。
またエクセルデータやビジネスフレームワークを活用してご自身で行うことも可能です。
こちらは定型がなくサポートもありませんが、ご自身の業務環境に合わせて作成がしやすくなっております。
続いては、こちらのビジネスフレームワークを活用した業務の可視化についてみていきましょう。
業務内容の可視化
業務棚卸シート
「業務棚卸シート」は存在する業務を洗い出して整理するための表です。表にまとめることで業務内容の見える化ができます。
業務を可視化することで業務の抜け落ちを予防できます。また関係者の認識を一致させることができます。業務にかかる時間の確認も可能です。
例として下の図では「冷凍卵炒飯」の簡略化した業務内容を記入してみました。
業務を大きく「製造」と「出荷」に分類しました。さらに製造を「調理」と「盛付」に分けています。「調理」と「盛付」を細分化し、かかる時間を記入してみました。出荷についても同様に細分化し、作業時間を記入しています。
このように業務内容を可視化することで、誰もが同じ意味合いで業務を把握することができます。

業務フローの可視化
PERT図
「PERT(Program Evaluation and Review Technique)図」とは業務のつながりと流れ、所要時間を図にしたものです。
業務をフロー図にして可視化することで、業務計画を立てたり、ボトムネックになっている業務を洗い出すことができます。
例えば上の「冷凍卵炒飯」の場合、下の図のようになります。
この例では「卵」調理を「卵を混ぜる」「卵を焼く」の2種類に、「炊飯」調理を「米研」「浸漬」「炊飯」の3種類としました。
「卵」の調理と「炊飯」の調理は同時に行うことができますが、所要時間が「卵」調理で15分、「炊飯」調理で60分違います。その為「卵」調理を45分遅らせたとしても出荷までのトータルの時間は変わりません。「炊飯」調理がボトムネックになっているといえます。
無洗米を使用するなどしてボトムネックを解消することで全体の製造時間を削減できます。
またボトムネック以外の部分でも、例えば冷却機の性能を上げて冷却時間を減らすなどしても全体の製造時間の削減が図れます。
あるいは梱包後に一時保管できる冷凍庫を大型化することができれば、調理業務の日数を減らすことができるかもしれません。
このように業務フローを可視化することで、どの業務を改善することで工程の削減につながるか把握できます。

まとめ
ビジネスフレームワークは適切に用いることで業務改善の手助けになります。
複雑化した業務を可視化することで、特定の人だけではなく誰でも内容と流れを把握することができます。そして可視化することで業務の問題点の改善へとつながります。
業務を可視化や課題を話し合ううちに、業務改善として働く環境の改善が出てくるかもしれません。
実際に飲食店や食品工場では調理の都合上、業務環境が暑くなりやすい箇所があります。
また機械化した方が良いのでは等の設備面での課題も見つかるかもしれません。
そのような場合には食品関連に強い設備業者に見てもらうことがおすすめ致します。
他の掲載記事の通り菱熱工業は飲食店様、食品工場様の動線の変更や冷熱エンジニアリングを得意としております。
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