全熱交換器のメンテナンスを解説|寿命やエレメント清掃と交換頻度は?

全熱交換器の維持管理にはどのような内容と手間が必要なのでしょうか。
導入してみたけれど、維持管理や点検が大変だったとならないように、
予めメンテナンス等の維持方法を確認することは重要です。

メンテナンスの有無はは全熱交換器の寿命に関わってきます。
こちら記事では、全熱交換器のメンテナンス方法や寿命と耐用年数との違い、エレメントの清掃方法、点検といった使用開始後に関わる内容を説明しております。
全熱交換器の導入をお考えの方、お手入れ方法を知りたい方は是非ご確認ください。

高度な衛生管理に適した捕虫力5倍の歩行虫捕虫器

高度な衛生管理に適した捕虫力5倍の歩行虫捕虫器

殺虫剤や捕虫紙等の消耗品は電池のみの管理手間軽減された捕虫器です。まずは資料ダウンロードから資料をお申込みください。

工場様向け電気代高騰対策【省エネ熱交換システム】

工場様向け電気代高騰対策【省エネ熱交換システム】

工場の排出冷水の熱エネルギーを再利用し省エネを図ります。排水処理設備の負荷軽減の可能性も。詳しくは資料ダウンロードへ。

室圧やエアバランスが崩れでお悩みの方必見!

室圧やエアバランスが崩れでお悩みの方必見!

風切り音や異物混入、空調の効きに影響を及ぼすエアバランスや室圧の崩れ。課題解決のご提案のサンプル資料を配布しております。

   

全熱交換器の耐用年数と寿命

全熱交換器の寿命と耐用年数との違い

耐用年数という言葉をご存知でしょうか。
全熱交換器における耐用年数とは、法律上で定められている減価償却費などの会計処理上で全熱交換器の役割を果たすとみられる年数を指します。実際の全熱交換器の寿命や耐久年数とは異なる為、耐用年数に未満で故障して使用できなくなることも考えられます。逆に耐用年数以上の使用を続けても故障せずに使用できている場合もあります。
全熱交換器の耐用年数は一般的に1日10時間運転・年間2500時間運転の想定で13~15年程度になります。
一般的には耐用年数を超えて使用すると故障頻度が上がり、交換部品が無くなることで修理ができなくなる可能性が高まっていきます。
詳細の耐用年数に関しては全熱交換器の各メーカーにご確認ください。


全熱交換器の寿命=実際の使用できなくなるまでの期間は、一概に13~15年の間で使用できなくなるとは言い切れません。設置環境や運転時間など様々な要因が影響される為、設置場所によって異なります。
寿命を迎える主な原因は、経年劣化による故障となります。
こちらの経年劣化を防ぎ、寿命を延ばすことが重要となってきますが、経年劣化を防ぐには定期的なメンテナンスが必要となってきます。
次からは寿命を延ばす為に行う全熱交換器のメンテナンスについて説明していきます。

記事『全熱交換器の基礎知識【仕組みと種類と費用】』

記事『全熱交換器のおすすめの設置環境とは』

記事『全熱交換器 業務用のおすすめメーカー【居室向け】』



引用元「定期的な保守・点検のおすすめ」日本冷凍空調工業会


全熱交換器の寿命に関わる経年劣化の例

全熱交換器は定期的なメンテナンスにより経年劣化の軽減が期待できます。
こちらでは全熱交換器の寿命に影響する具体的な経年劣化の例を説明しております。

●異臭
全熱交換器の定期的なメンテンナンスを長期間実施せずにいると、気づかないうちに異臭が発生していることがあります。
全熱交換器にはエレメント素子が搭載されており、湿度の高い空気が通過したり、何かしらの不具合で雨水等の湿気の高い空気が通過することでカビが発生することがあります。
そちらのカビの臭いが全熱交換器の空気と共に室内に供給され、室内で臭気を感じてしまう場合があります。

●異音
全熱交換器にはファンが搭載されており、定期的にメンテナンスを実施しないとファンの回転による振動・異音に悩まされる場合があります。
経年劣化によりファンに異音や振動が生じてしまう場合がありますが、早期発見が重要になります。
こちら定期的に全熱交換器から異常な音や振動をしていないか簡易的な点検だけでも実施することが重要になります。

●換気不足・故障確認の遅れ
先程のエレメント素子のカビや汚れに気づかず、もしくはファンが異音・振動不具合から本格的に故障し停止していることに気づかないで、換気ができていない状況で部屋を使用し続けていたという状況も考えられます。
またエレメント素子は大変細かく長年の汚れにより詰まってしまい空気が正常に流れず、うまく換気ができていない状況になることもあります。

メンテナンスを定期的に行うことでこちらの不具合は早期発見・未然に防ぐことが可能になります。
また全熱交換器で換気しているが、異臭がする、異音がする、換気ができていないという状況が見受けられる場合にも、
一度メンテナンス点検を行うことが重要になります。

全熱交換器のメンテナンス方法

エレメントの清掃メンテナンス

全熱交換器のお手入れは、大きく2つに分けることができます。
「熱交換エレメント」と「フィルター」という二つの部材の定期的な手入れが必要です。

全熱交換器の最も重要な「熱交換エレメント」のお手入れについて説明致します。
熱交換エレメントは熱を再利用する為の重要な部品です。

【エレメントとは】
エレメントは熱を通す特殊な紙で構成されており、エレメント内に風を通す構造仕組みとなっております。風を通す際に、空気の中に含まれる埃や粉塵が使用経過期間と共にエレメントの中に汚れが溜まってしまいます。
汚れをそのままにしてしまうと熱を再利用しようとする働きの邪魔になってしまい、省エネ効果が落ちてしまう可能性があります。
また風を通しづらくなる為、全体的な換気量が減少してしまう、最悪の場合故障の原因となる可能性もあります。

【お手入れ】
下記より小型の全熱交換器のエレメントのメンテナンスの説明になります。
大型のものは別途確認が必要ですので、お問い合せください。

●頻度
熱交換エレメントの清掃頻度は2年に1度以上が目安となります。しかし、屋外に砂埃が多いなど設置環境などによって、汚れやすい機器もございます。
その場合、清掃頻度を増やすことをご検討ください。

●お手入れ方法
機器内部より、フィルターとエレメントを取り出します。掃除機によりエレメントの表面のゴミ・ほこりを吸い取り清掃します。
エレメントは比較的デリケートな部品ですので、掃除機を強く当てる等の力を加えてエレメントを潰さないように気を付けながら実施します。また特殊紙でできている為、水洗いはできませんので、あまりにも汚れがひどい場合はお問い合せにてご相談ください。
最後にエレメント、フィルターの順番で取り付けて完了になります。

●エレメント交換
清掃を実施していても、エレメントは10年に1度の交換が推奨されております。
エレメントは水洗いが出来ない為、落としきれない汚れが溜まってしまい、省エネ効果が落ちてしまいます。
汚れ具合を確認しながら、交換時期を見極めることをお勧め致します。

フィルターの清掃メンテナンス

全熱交換器の部品の中には、エレメントとは別に『フィルター』という部品があります。

【フィルターとは】
エレメントは空気の熱交換を行う役割を担っているのに対して、
フィルターはエレメントに埃や粉塵が溜まらないように、空気から異物を取り除く役割を担っております。
フィルターは空気の流れに対して、エレメントの直前に設置されており、異物を取り除いた空気がエレメントに入り込みます。
異物を取り除く役割のフィルターは汚れやすい部品ですので、お手入れが重要になってきます。
汚れをそのままにしてしまうと風を通しづらくなる為、全体的な換気量が減少してしまい、最悪の場合故障の原因となる可能性もあります。

【お手入れ】
下記より小型の全熱交換器のフィルターのメンテナンスの説明になります。
大型のものは別途確認が必要ですので、お問い合せください。

●頻度
フィルターの清掃頻度は1年に1度以上を目安に実施してください。
エレメント同様に設置環境によって汚れるスピードが異なる為、汚れがひどい場合は清掃頻度を増やすことをご検討ください。

●お手入れ方法
フィルター清掃の注意点としては、フィルターを外した状態で運転しないように注意が必要です。フィルターを取り外した状態で運転をすると、異物の混じった空気が直接エレメントの中を通り、エレメントの詰りの原因・劣化に繋がる可能性があります。

まずは機器本体からフィルター(エアフィルター)を取り外します。
外したフィルターは掃除機もしくは水洗いで清掃を行います。汚れがひどい場合には、柔らかなブラシもしくは中性洗剤を使用して清掃を行ってください。
50℃以上のお湯での清掃、掃除機を強く当てる、強い衝撃を与えないよう注意してください。破損や変形、耐久性低下の原因となる可能性がございます。
その後、水切りをした後、日陰で乾燥させます。直接日光に当てると変色や変形の原因となる可能性がありますのでご注意ください。
また異臭の原因となりますので、きちんと乾いていることをご確認ください。
乾燥しましたら、フィルターを機器本体に戻します。

●フィルター交換
こちらもエレメント同様に、汚れが落とせなくなるタイミングで交換が推奨されております。製品を長く安心して使用する為の推奨交換時期は3年に1度が目安になっております。
こちらも設置環境やメーカーにより異なるので、メーカーへの確認が必要となります。


※作業の注意点
全熱交換器が高所に設置されていることは稀ではありません。
先程のフィルター・エレメント清掃を実施する際には、脚立を立てての作業が必要となり、事故が発生する可能性があります。
その際には、無理をせず清掃業者に依頼することを推奨致します。

全熱交換器の点検

保守点検

全熱交換器の保守点検について、解説していきます。
定期的な保守点検を実施することで下記の効果が得られます。
①未然に故障を予防できる
②適正な状態での運転が維持でき、省エネ効果も維持できる
③機器の寿命を延ばすことに繋がる
④機器の異音や振動を抑制する

定期的に行う点検の項目と周期目安は下記のとおりなります。
日本冷凍空調工業会の「定期的な保守・点検のおすすめ」を元に、専門業者でもなく点検できる項目を抜粋して掲載しております。
また点検項目を簡易的に表示しておりますので、詳しく確認したい方は前述の日本冷凍空調工業会の資料をご確認ください。

※下の点検内容は例となります。無理な姿勢や脚立使用の場合、もしくは初めてご自身で実施される場合は、必ず事前に専門業者へご相談ください。

法定点検

また空調機、エアコン等で定められている法定点検という点検がございます。
こちらに該当すると、フロン抑制法における法定点の義務が発生し、各企業では点検を実施・記録をしております。
設備に大きさによっては、3年に1度の専門業者の点検が義務づけられております。
こちらの法定点検は、内部に冷媒ガスを使用していない全熱交換器は該当しません。
冷媒ガスを使用していない全熱交換器では、法定点検等で確実に発生してしまう点検費用というものはございません。

まとめ

全熱交換器を使用していく上で、必要なメンテナンス・お手入れ内容はご理解いただけたでしょうか。
実際には目視点検の項目も多く、ご自身でもできる可能性があるメンテナンスが多いこともお分かりいただけたと思います。

しかし、交換目安の判断や作業が困難な場合は、清掃業者・換気設備の専門家にご相談することを推奨致します。
全熱交換器を長くご使用いただくために、是非ご検討ください。

高度な衛生管理に適した捕虫力5倍の歩行虫捕虫器

高度な衛生管理に適した捕虫力5倍の歩行虫捕虫器

殺虫剤や捕虫紙等の消耗品は電池のみの管理手間軽減された捕虫器です。まずは資料ダウンロードから資料をお申込みください。

工場様向け電気代高騰対策【省エネ熱交換システム】

工場様向け電気代高騰対策【省エネ熱交換システム】

工場の排出冷水の熱エネルギーを再利用し省エネを図ります。排水処理設備の負荷軽減の可能性も。詳しくは資料ダウンロードへ。

室圧やエアバランスが崩れでお悩みの方必見!

室圧やエアバランスが崩れでお悩みの方必見!

風切り音や異物混入、空調の効きに影響を及ぼすエアバランスや室圧の崩れ。課題解決のご提案のサンプル資料を配布しております。