映写機の進化による映写室の省エネとは

映画館の映写システムはここ10年ちょっとで大きく変わりました。上映の仕組みはフィルムからデジタルへ。光源もランプからレーザーの時代へ。
でも、設備は昔のフィルム・ランプ時代からいじっていないケースが多いと思います。

映写機は最新のものが備わっていても、設備が旧式のせいで、もったいないことになっていませんか?

実は映写機の進化に伴い、映写室の省エネが図れる場合があります。こちらでは映写機の進化と環境変化による省エネポイントを説明しております。

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フィルムからデジタルへの進化における省エネ

加湿器は使わなくてOK

映画館には映写室という映写機が設置された部屋が必ずあります。映写機とは、画像を光源やレンズを使用してスクリーンに拡大映写するための機械になります。私たちが普段見ている映画は、映写機という大きなプロジェクターが映し出した映像をみています。

今の時代、シネコンと呼ばれる映画館ではデジタル式の映写機が使用されており、フィルムを使って上映している劇場はほとんどないと思います。

実は2010年頃まではフィルムを使って上映していました。
映画館のフィルムはとても長く巻いた状態で、映写室内で上映に向けて管理・準備をしておりました。
劣化しやすく、持ち方が決まっており慎重に扱う必要があり、映写技師という専門の方が当時はいました。
汚れを持ち込むことで、映写に影響を及ぼす可能性もある為、土足厳禁が基本できした。
昔は、映写室に入ると物凄い数のスタッフの方がいたのを覚えていますが、

デジタルに変わってからは、映写室にスタッフの方がいるのを見かけることはほとんど無くなりました。
昔ながらの映画館が少なくなり悲しい部分もありますが、見えないところで省人化が進んでいますね。
ちなみに東京国立近代美術館フィルムセンターではフィルム映写の継承が行われているようです。
参考HP:東京国立近代美術館フィルムセンター

そんな映写室ですが、昔は加湿器を使って映写室内の湿度を一定に保っていました。
静電気でフィルムがくっつくのを防止するためだったかと思います。

しかし、今はデジタル映写機になり、データで映像を管理しているため、
湿度コントロールが不要になりました。

フィルム映写自体に建設された映画館において、昔の名残で、加湿器の運転を行っている劇場は、加湿器をOFFにしても問題ありませんので
(機械的に。映写機とは関係なく加湿コントロールが必要になるかどうかはご確認ください。わからなければお問合せフォームからご連絡ください)
水道代と電気代の節約を行いましょう。

ランプからレーザーへの進化における省エネ

映写機の光源は、まだランプが主流ですが、少しずつレーザータイプの映写機が各シネコンで採用され始めてきました。

今までのランプ式の映写機は、上映時に物凄い熱を発生させるために、
映写機に排気ダクトを接続して、熱を排気する設備が必要でした。
(昔ながらの焼き肉屋さんによくある、天井から各テーブルまで伸びてきている筒と同じようなモノですね)

熱を排気するための設備は、映写機の台数に合わせた台数・風量を確保する必要があり、映写機が多いほど電気代を消費してしまいます。
また熱の排気設備が故障してしまうと、映写機に影響を及ぼし、営業リスクになる状況でした。

レーザータイプの映写機は、発熱がほぼ出なくなるため、映写機に排気ダクトを接続する必要がなくなります。
レーザー光源は放熱しますが、機構上映写機内に冷却装置を持たせることができるようになり、排熱を不要としております。
映写機の排気ダクトは不要になりますので、
排気を止めることでファンの電気代が節約(省エネ)できることになり、営業への支障リスクも抑えることができます。

映写機の排気不要の注意点

映写機の排気用の給気口が不要になる可能性

映写機の排熱を排気する仕組みとして、排気をするためには必ず給気が必要になってきます。
実際には映写室に空気を取り込む為の入り口(給気口)が必ず設置されています。
映写室の換気の仕組みは、ほとんどの映画館が第1種換気を採用しております。

↓換気の第1種換気って何?という方は下部のリンクから確認してみてください。
『換気の種類を解説 第1種換気とは』


映写機の排気を行うために、どこからか給気がされているということになりますが、
映画を見ているシネマ内から映写室に風を送っている場合がほとんどです。
映写機の排気までの風の流れとしては、
外気→シネマ内→映写室→外部という流れになります。
ということは、決められた風の流れの一部の映写室→外部の風の流れだけを遮ってしまうと、空気が上手く流れずにエアバランスが崩れてしまいます。
エアバランスが崩れた場合の対策はこちら↓
『エアバランスの崩れた場合の対策方法』

エアバランスを崩さないように調整するには、全体の風の流れを把握したうえで、必要な個所の風の量を調整することが重要になります。
シネマ内のエアバランスが改善されることで、外気の暑さ・寒さの影響を受けにくくなりますので、
省エネにも繋がる場合があります。


映写機の排気は不要になったのなら、給気ももう不要になりますね。
(あくまで、映写機の排熱計画となります。人員当たりの換気計画とは別になります。)

人員当たりの換気計画、シネマ内の室内圧力も踏まえ計画されたい方は、ぜひ専門家に相談することをお勧めいたします。

まとめ

映写機の進化は良いことばかりです。

せっかく映写機が進化しているのですから、
設備もその進化に見合うよう、調整をしてあげる必要がありますね。

加湿器を止めてしまうような、現地ですぐ行える映写室の省エネを図れる内容もあります。
更には映写機自体からの放熱もフィルム時代から少なくなってきています。空調機・換気設備の更新時に、今の映写機に合わせて設計を見直すことで導入コストを抑えられる可能性は十分に考えられます。
昔の設計のまま、空調換気設備を入れ替えるのは大変もったいないです。


言っていることはわかるけれど、どの設備を調整すればいいかわからない。
という方は、お問合せフォームから連絡してみてください。

または、TwitterからのDMでも可能です!

よろしくお願いします!

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