興行場の空調に関わる法律とは

興行場を運営している会社様の空調設備の運用担当者の方のために、興行場における空調換気設備の考え方を簡単にお伝えしていきたいと思います。
また、興行場法だけではなく、大きな興行場では違う法律も順守しなければなりません。

興行場の空調設備の運用担当者の方に分かりやすく情報を届けていきたいと思います。

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興行場法とは

そもそもどんな施設に当てはまるのか

興行場は「映画、演劇、音楽、スポーツ、演芸又は観せ物を、公衆に見せ、又は聞かせる施設」と定義されています。

具体的には、興行場法の適用を受ける興行場は、映画館、劇場、寄席、音楽堂、野球場、見世物小屋等の施設であると定められております。

また、飲食店に設置されているテレビやモニター等は客寄せ用の手段とされるため、興行場とは定められておりません。

映画館、劇場、寄席、音楽堂、野球場、見世物小屋等の商業施設に適用される法律となります。

興行場の中身は内容は

興行場法で規定されている内容は多岐に渡ります。
・設置場所の決まり
・観覧場の決まり
・換気設備の決まり
・照明設備の決まり
・防湿構造の決まり
・便所の決まり
・喫煙所の決まり
・飲食物の販売施設の決まり
・その他の決まり

今回は、空調換気設備に焦点を絞って解説をしていきます。

興行場法で必要な空調換気設備とは

機械換気設備の種類

換気の方式には3種類の方式があります。

①第1種換気
②第2種換気
③第3種換気

興行場において、最も好ましいのは①第1種換気となります。
②と③は条件付きで可となっております。

換気の方式については、下部に【換気の種類とは】というリンクページを貼りましたので、
換気の内容について詳しく知りたい方はこちらをチェックしてみてください。

換気設備の能力について

コロナ禍において、興行場の換気能力は非常に重要視されることになりました。
換気が出来ているかどうかの判断基準として、CO2濃度という指標が一般的に認知されるようになりました。

興行場法において、換気設備により1㎡につき75㎥/hの換気能力を求められていますが、
温湿度調整機能があるときは25㎥/hまで下げることができます。

上記の計算は、設計段階から緻密に計算されているため、
オープン後に変更することはありません。

ここで重要になってくるのが、コロナ禍において厚生労働省が発表した換気基準を満たせるかどうか。
実際にCO2濃度が上がらないかどうか。が運用時のポイントとなります。

厚生労働省の発表では、『1人当たりの換気量の基準 ”1人当たり30㎡/h”の換気量“または”換気回数毎時2回以上』とされております。

ただ、この基準、実際に空調の保守運用をしている方はわかると思いますが、結構レベルの高い要求となっています。
全興連では、CO2濃度が1000ppmを超えないようにするという独自の政策も発表していたりもしています。

実際にCO2濃度が1000ppmを超えないようにするためには、換気量をどれくらいにしないといけないのか。を知りたい方は下部にあるご相談欄からご連絡頂ければと思います。

興行場法以外にもある法律 【ビル管理法】

ビル管法に適応される興行場の条件とは

興行場法は興行場に適用される法律ですが、
それとは別にビル管理法という法律も下記の条件の場合は適用されます。

正式名称を「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」といいいます。
略称で、「ビル管理法」と呼ばれております。

建物のうち延べ床面積3,000㎡以上で、以下の用途で使われている建築
映画館、劇場、コンサートホール、演芸場等

3,000㎡以上の大型の興行場は適用されると思ってもらえれば、大丈夫かと思います。

興行場法では、換気の方式と換気能力について条件がありましたが、
ビル管理法では、また別の条件が定められております。

ビル管理法で守るべき空気環境とは

ビル管理法で守るべき条件は、下記となります。

①浮遊粉じんの量
 空気1㎥につき0.15mg以下

②一酸化炭素の含有率
 10 ppm以下
 ※特例として外気がすでに10ppm以上ある場合には20ppm以下

③二酸化炭素の含有率
 1000 ppm以下

④温度
 17℃以上28℃以下

⑤相対湿度
 40%以上70%以下

⑥気流
 0.5 m/秒以下

⑦ホルムアルデヒドの量
 空気1㎥につき0.1mg以下
 (=0.08 ppm以下)

興行場法は換気の方法と換気量について具体的な記載がありましたが、
ビル管理法では、上記の数値内に収まるよう空気を綺麗に保ってくださいね。という内容になっております。

オープン当初の空調機が入っていて、メンテナンスも継続して出来ていれば、空気環境が著しく悪くなることはあまり考えられません。(故障は除く)

しかし、空調機が運転しているにもかかわらず、CO2濃度が高い状態が続いてしまっている場合は、メンテナンスを長い間実施していない場合は、
機械の劣化・摩耗により興行場法・ビル管理法の条件を保てなくなっている場合があります。

少しでも気になる場合は、下記のご相談窓口からご連絡頂ければと思います。
ご連絡お待ちしております!

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作者名
アミューズメント
設備の仕組み解説の館