GHP空調機のメンテナンスの重要性とEHPとの違い|シネマの例

空調設備で、GHP空調機が導入されている建物は多く存在しています。
GHPは、ガス会社やメーカーが主体となって進めている、フルメンテナンス契約があるため、ちょっとコストは割高ですが、日々のメンテナンスのことは気にしなくて大丈夫だから安心。

と、思っていませんか?
実は、落とし穴があるので、要注意です。シネコンを例に説明していきます。

こちらの記事では、GHP空調機とは何か、EHP空調機との違い、GHP空調機のメンテナンスに関して説明しております。GHP空調機に関してお困りの方は是非読み進めてください。

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GHP空調機とEHP空調機の違い

GHP空調機とは(仕組み)

GHPとは「ガスエンジン・ヒートポンプ・エアコン」の略語になります。室外機の中の圧縮機と言われる部分に関して、ガスをエネルギー源とするエンジンで稼働させる仕組みからGHPと言われています。
GHPのメリットは、電気で動く空調機と比較した場合に、ピーク電力を抑えることができ、電気基本料金を抑えることに繋がります。
また外気温が低い暖房運転時期に、運転時の排熱を再利用することで霜取り運転というモードの時間を抑えることができます。

GHP空調機とEHP空調機の違い

EHPとは「電気式・ヒートポンプ・エアコン」の略語になります。GHPと異なる点は、室外機のエネルギー源を電気とする点です。
EHPのメリットは、導入コストや維持費が比較的安い部分にあります。またメーカー数が多く、比較検討しやすいのもメリットと言えます。

GHPのメンテナンス契約と注意点

GHPのメンテナンスの種類

GHP空調機のメンテナンスは、EHP空調機と比べ特徴があります。
EHPは一般的には1年毎や3カ月毎での定期的な点検となっており、点検項目・メニューも比較的自由度が高く調整が可能です。
また空調修理を行う会社であれば、メンテナンス会社自体の選択肢が比較的多いことも特徴と言えます。

GHPは少し特殊です。
メンテナンスを実施できる会社が限られており、EHPと比較してメンテナンス会社の選択肢が少ない傾向があります。
またGHP空調機にはスポット点検という機器の点検以外にも、フルメンテナンス契約があります。
フルメンテナンス契約では定期的な点検以外にも、一定の運転時間を超えた場合での点検(運転時間)や遠隔での運転状況・故障発生を監視することが可能です。実態に沿った上で、空調故障のリスクを抑えた運用が可能です。
しかし、導入後の経過年数で契約の制限がありますので、確認が必要になりますが、比較的安心できるのがフルメンテナンス契約です。

室外機・室内機のそれぞれの点検範囲

GHPのメンテナンスの注意点を説明します。
契約内容を確認し、どのような決まりで点検周期が決まっているかを確認してみましょう。

GHP空調機には、室外機と室内機があります。
一般的なGHPのフルメンテナンス契約ですと、
・定期点検→室外機
・不具合時の無償対応→室外機・室内機
という決まりになっていることが多いと思います。
実は定期点検では室内機を見ていない可能性があります。

室外機しか定期点検がされていないということは、
空調機としては、100%の保証ができている状態にはなっていない。ということになります。

とは言え、故障があった時には室内機も無償で対応してくれるのだから問題ないじゃないか。
という声もあるかと思いますが、そうではありません。

室内機は、故障検知をしてくれる場合は、電気部品関係が壊れた時だけなのです。
風を送る駆動関係の部品は点検を実施しないと、今の状態がどんな状態かわわからないのです。契約内容を確認し、どのような決まりで点検周期が決まっているかを確認してみましょう。

フルメンテナンス契約の内容を確認しよう

GHP室内機の未点検のリスク

まずは現状のGHP空調機のメンテナンス状況の確認が重要です。
シネコンを例にしてみていきましょう。
シネコンの空調機は台数が多い為、フルメンテナンス契約にも年間で、100万円単位でコストを掛けているケースが多いです。
空間の大きい興行場や体育館等も同じように空調機の台数が多いことで同じパターンが考えられます。

これだけのお金を掛けているのだから、故障した時は無償対応してくれるし、対応も早いし、何も不便に思うことはない。
と思われるかもしれませんが、
実は、そうではありません。

しっかりと契約内容の見直しをして頂きたいですが、
点検は決まった年数か、運転時間が経過した時にしか実施しません。

遠隔制御のオプションが入っていない限り、
今の機械がどんな健康状態で運転しているかがわからないのです。
最新の状態を把握できていないと、壊れてから対応することとになり、復旧までの時間を要したり、結果として室内の人が体調を崩したりと様々なリスクが考えられます。安心した運用には最新の状況把握がとても重要になってきます。
シネマを例にすると、一つのシアターに対して1台の空調機で空調をしていた場合、1台の空調機が故障しただけで、そのシアター全体の空調が全く効かなくなってしまうリスクがあります。
修理するまで席販売を止める等の対応が必要となります。また昨今の納期長期化の波を受け、思った通りに修理ができないパターンも考えられます。

GHP室内機故障の例(シネマ)

前述した通り、室内機の風を送る部分の駆動部は、点検を実施しないと今の状態を把握することが難しいです。
と言っても、室内機の駆動部品に異常があったとして、何が問題なのか。
と思われる方もいると思います。


大問題です。

映画館は、適切な換気ができている。と全国の映画館でPRしていますが、
室内機の駆動部品に不具合があった場合、その換気ができなくなってしまうからです。

しかも、その不具合は、エラーとして検知されません。
スクリーン内の環境(温度や湿度、CO2値)を、社員さん・従業員さんが異常だ。と判断し、ガス会社やメーカーに連絡をしないと機械の調査をしてくれない場合がほとんどです。

空調の方式によって異なりますが、映画館を含む大空間等では、室内機は換気の役割のメインとして機能している場合が大半です。
その部分がメンテナンスから外れてしまうことは、営業に差支えてしまう可能性があるので、注意が必要です。

まとめ

GHPのフルメンテナンス契約だけでは、空調機の性能は100%発揮できません。

その為、室内機の定期メンテナンスが必要となってきます。

フルメンテナンス契約を結んでいるから、今まで点検は契約先にお任せだった。
という場合、室内機の状態は悪化している可能性があります。


室内機の状態がどんな状態かを確認したいという場合は、
下記のお問い合わせフォームからご連絡ください。

また昨今電気代・ガス代の高騰により、エネルギー源がとても重要になってきています。現在の機器がGHPなので、更新機器はGHPだけだと思い込んでいませんか。EHPへの更新も不可能ではありません。
是非ご検討されたい方はお問い合せフォームからご連絡ください。

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