スーパーマーケットのカビ予防策と除湿効果解説|カビ対策の具体的な方法3選

スーパーマーケットは、私たちの日常生活に欠かせない存在です。食料品から生活必需品まで幅広く提供するこちらの場所は、顧客にとって快適さと信頼の象徴であるため、清潔な環境が非常に重要とされています。特に食品を扱う場所では、カビなどの細菌が繁殖しやすいため、徹底した清掃や適切な湿度管理が必要です。
この記事では、スーパーマーケットのカビ問題を取り上げ、スーパーマーケットにおけるカビ発生の影響・発生原理、スーパーマーケットでの防カビ対策の具体的方法とその効果について解説します。綺麗な店内を保ち、安心して買い物ができる空間を作る際に是非お役立てください。

結露改善の事例紹介

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実際に青果市場と食品工場で実施した結露対策をご紹介しています。(同業者様は配布をお断りさせていただく場合がございます)

室内の湿度管理に低価格な除湿器

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厳しい温湿度条件下で且つ室内規模が大きいと除湿器も高額になりがちです。そちらでお悩みの方に是非お勧めの除湿器です。

   

スーパーマーケットでの清潔な環境と顧客満足度

顧客満足度と清潔感の関係

顧客がスーパーマーケットを選ぶ際には、価格や品揃えと並んで清潔感も重要な判断基準の一つとなっています。店内が清潔であれば、顧客は安心して買い物を楽しむことができ、結果として満足度が高まります。また、清潔な店舗環境はリピーターを増やし、口コミによる良い評判を広げることにもつながります。
これはスーパーマーケットのブランドイメージ構築にも直結しております。清潔な店舗は高い品質の証と捉えられ、消費者からの信頼を獲得することができます。衛生問題の対応を怠ってしまうと、瞬く間に否定的なイメージが広がり、売り上げに直接的な影響を与えかねません。よって、衛生管理はブランド価値を高めるためにも、絶えず重視されるべき点であると言えます。
昨今の利用者アンケートでは、スーパーマーケットにおける清潔感をとても重要視する動きが見受けられています。
参考サイト:一般財団法人サニクリーンアカデミー『コロナ前後で清潔感に対する意識変化を調査しました。』


また店内の不衛生が原因で食中毒などの問題が発生すれば、顧客の信頼を大きく損なうことになります。
店舗内で衛生問題が発生した場合、商品の廃棄や回収が必要となり経済的な損失が発生するだけでなく、社会的な信用失墜にもつながることがあります。これらの事態はビジネスの持続性にも影響を及ぼし得るため、衛生問題への正しい理解と対策を講じることが、企業にとって不可欠であると言えます。

スーパーマーケットにおけるカビの発生

スーパーマーケットには、カビが発生しやすい以下の条件が揃っています。
●温度と湿度
スーパーマーケットは、食品を鮮度を保つために冷蔵・冷凍設備を使用しており、決められた温度帯を保つことが求められています。そのため、店内全体の温度が低く、結露が発生しやすい環境です。
●栄養
食品カスや埃などが床や壁に付着していると、カビの栄養源となります。
●酸素
カビは酸素を必要とする好気性生物です。スーパーマーケットは人がいる空間の為、必ず換気扇などによって換気が行われています。よって、完全に酸素を遮断することは困難な状態です。

数多くの人が出入りする空間で、鮮度を維持する為の温度帯に維持することは、カビの発生しやすい条件を満たしてしまっています。
関連記事『落ちないカビの効果的な落とし方|カビの種類・発生メカニズム・防カビまで理解』


では、具体的にどのような場所でカビが発生しやすいのでしょうか。
スーパーマーケットでカビが発生しやすい場所は以下の通りです。
●天井:冷蔵・冷凍設備からの冷気によって天井が冷やされ、結露が発生しやすくカビが生えやすい環境となります。
●壁:食品カスや埃などが付着しやすいことでカビの栄養源ができ、先ほどの冷蔵・冷凍設備からの冷気の影響を受け結露し、カビが生えやすくなります。
●床:結露を含めた水分や汚れが付着しやすく、カビが生えやすい環境となります。
●生鮮食品コーナー::生鮮食品から水分が蒸発するため、又は水を多く使用することで、湿度が高く、カビが生えやすい環境となります。

このようにスーパーマーケットは数多くのカビの発生しやすい条件を併せ持つ環境になってしまっています。
清潔感が重要視される中でも、対策が大変難しい環境でもあります。
ここからは、スーパーマーケットにおけるカビに関しての対策を見ていきましょう。

スーパーマーケットにおける具体的なカビ対策3選

日常的な消毒作業の整備

スーパーマーケットでは、食品を安全に顧客に提供するために、カビの予防は非常に重要です。
スーパーマーケットにおけるカビ対策は、以下の方法で行われます。
①清掃・消毒: 床や壁、天井などを定期的に清掃・消毒し、カビの栄養となる食品カスや埃、もしくはカビを除去します。
②換気: 換気扇などを設置して、店内を換気しカビの原因の湿度や結露を防止します。
③温度・湿度の管理: 冷蔵・冷凍設備周辺の温度管理を行い、結露が発生しないようにします。また、除湿機を設置して湿度を下げることもできます。

こちらの対策方法を一つずつ解説していきます。
まずは一つ目の清掃・消毒作業による対策となります。カビの栄養所となってしまう食品・カスを清掃により除去することは大変重要になります。
湿度の高い環境で放置してしまうと、カビの栄養源となりカビ発生の原因となってしまいます。
特に調理を行うバックヤードでは、隅々まで清掃を行うことが大切になります。

また消毒もカビ対策の一つになります。
効果的な消毒作業を行うためには、適した消毒剤の選択が欠かせません。カビは消毒用エタノールやアルコール等に弱い傾向があり、選ぶ際には、アルコール濃度によりカビや細菌に対する殺菌力をきちんと確認することが重要になります。消毒を目的に使用する場合には、アルコール濃度70~80%が有効と言われています。
消毒剤による対策はカビ胞子を死滅させる、進行を遅らせる効果が見込まれていますので、応急処置の場面では有効になります。
特に濃度の高い消毒液は揮発性が高く、カビ菌に対して効果を発揮する前に蒸発してしまう為、きちんとした効果が得られない場合もあります。
その場合は、布地に染み込ませる等の対策も必要となります。

また、消毒剤の選定には、環境に対する影響やコストパフォーマンスも念頭に置くとよいでしょう。たとえば食品を扱うような環境では食品衛生法に準拠した消毒剤を使い、消毒作業後も残留性が限られているものを選ぶことが望ましいです。さらに、従業員が使いやすく、定期的に使用できる消毒剤を選ぶことは、継続的な衛生管理のためにも大切なポイントと言えるでしょう。

スーパーマーケット内での消毒作業では、消毒する範囲は多岐に渡ります。カウンターやカート、扉のハンドルなど、人の手がよく触れる場所の消毒が行われています。これは通常、拭き取りやスプレーなどにより簡単に実施できる手法です。他にも野菜や果物のディスプレイケース、冷蔵庫など食品が直接触れる部分にも消毒が行われることが多いです。こちらはより高い衛生環境が求められる為、強力な消毒剤を利用し、より慎重な作業が求められます。また、普段商品等により隠れている部分でもある為、気づきにくい場所です。各スタッフが注意して管理することで、消毒作業の対応が可能となります。

またカビが発生してしまった後にも、清掃を行うことで見た目の影響を最小限に抑えることが可能です。
カビに有効な洗浄の仕方・洗剤の詳細はこちらからご確認ください。
関連記事:落ちないカビの効果的な落とし方|カビの種類・発生メカニズム・防カビまで理解

防カビ塗装とその選び方

カビ菌の根から除去することで、カビの再発は抑制することができます。
更に。カビ予防の方法として効果的なのが、防カビ塗装を活用することです。しかし、防カビ塗装は環境によって再発が早く、施工範囲が膨大・メンテナンス頻度があることによって費用負担が大きい傾向にありますが、スーパーマーケット内のカビのリスクを低減し、より清潔な販売環境を維持することが可能です。
防カビコーティングは、壁や天井、床などの表面に特殊なコーティング剤を塗布することで、カビの発生を抑制する技術です。カビは、湿気や栄養分があれば繁殖しますが、防カビコーティングは、これらの条件を阻害することでカビの発生を抑えます。
【防カビ塗装の効果】
防カビコーティングには、「カビ発生の抑制」「建材の劣化軽減」「臭い防止」等の効果があります。
【防カビ塗装の種類】
防カビコーティングには、大きく分けて2種類あります。
●光触媒コーティング
・光触媒の力でカビを分解する
・長期間効果が持続する
・比較的高価
●銀イオンコーティング
・銀イオンの抗菌作用でカビの発生を抑制する
・比較的安価
・効果の持続期間は光触媒コーティングより短い
●セラミックコーティング
セラミックコーティングは、近年注目されている防カビ対策の一つです。従来の防カビ剤とは異なり、表面に硬いセラミック層を形成することでカビの発生を抑制します。
・光触媒コーティングと比べて、効果が長持ち
・カビを除去する効果も期待できる
・セラミック層は、摩擦や傷に強いため、長期間効果が持続
・費用が高い

またコーティング剤には、有機溶剤と水性の2つの種類があります。
スーパーマーケットにおいて溶剤のニオイや安全性は、確認すべき重要な事項となります。
特に有機溶剤は効果が比較的長く続くものの刺激臭がある為、注意が必要です。
また水性の薬剤の場合、ニオイがほとんどないものの、比較的効果の持続性が短い欠点があります。
施工可能日数や乾燥時間に合わせて溶剤を選ぶことが重要になります。
食品に直接触れる可能性がある場合は、食品衛生法に適合しているものや、無香料、無毒性であることを確認する必要があります。また、防カビ効果の持続時間や、カビ除去の効果範囲などもチェックポイントです。


また防カビ仕様の内装材を使用することも初期費用が高くなりますが、維持管理面ではメリットがある場合もあります。

除湿機・換気を活用したカビ防止対策

カビを防ぐための効果的な除湿テクニック

カビ予防策としては、まず、除湿が効果的な基本手段になります。湿度が高い環境はカビの発生にとって非常に好条件であるため、除湿は重要です。

●スーパーマーケットの湿度管理の基本
湿度が高くなりがちな場所、特に肉や魚、野菜などの生鮮食品を扱うエリアや水を使用するエリアでは、適切な湿度の維持が必須です。湿度管理のために、湿度センサーを活用して湿度が高くないか、どのくらいの湿度で結露が発生するのかを監視・記録することが有効です。

●除湿機の選び方と正しい使用法
除湿を行う際にまず思い浮かぶ対策は除湿機の導入かと思います。
除湿機を選ぶ際には、店舗の広さや湿気の度合いを考慮して、適切なサイズや性能をもつものを選択することが大切です。除湿機は設置場所にも注意が必要となり、床に置くタイプ、天井に吊るタイプ等様々なタイプがあります。特に湿気が多くなりがちな角部や床などがきちんと除湿されるかの確認を行うことが重要になります。除湿器にはデシカント式、コンプレッサー式、コンデンス式の数種類の除湿方式がありますので、環境によって最大効果の得られる除湿器を選定することが重要になります。除湿方式とは別に、一体型とセパレート型もあるので、設置環境に合わせて選定することも重要です。また除湿機のフィルター清掃など、定期的なメンテナンスを実施して常に最適な状態を保つことが重要です。
関連記事:除湿器の原理・方式を解説|冷却式・デシカント式・コンデンス式の除湿効果比較

換気システムの役割と換気方法

スーパーマーケットでは、湿度の管理をする上で除湿も有効ですが、換気を活用することもできます。換気は、室内のジメジメした空気や不快な臭いを外部に排出し、新鮮な空気を内部に取り込むことができます。換気方法には自然換気と機械換気があり、それぞれの店舗の状況に応じた適切な方法を選択することが重要です。

●カビ対策における換気の重要性
カビは、湿度の高い環境を好みますから、特にスーパーマーケットのような食品を多く取り扱う場所では湿度管理が肝心です。室内の高い湿気を換気によりきちんと屋外に排出することでカビの予防となる可能性があります。また換気は悪臭の除去やCO2濃度の低下にも寄与するため、快適な環境を提供することにもつながります。
但し、換気対策にはいくつか注意点が必要となります。
①梅雨時期は屋外の方が湿度が高くなる
 梅雨時期に換気をしてしまうと、屋外の高い湿度が室内に侵入してしまい、カビを悪化させてしまう可能性があります。
 外気の湿度と室内の湿度差を確認した上で、換気を実施することが重要なポイントになります。
②空調のエネルギーも排出されてしまう
 換気により屋内の空気を排出される際に、空調された空気も一緒に排出されてしまう為、空調エネルギーが無駄になってしまいます。
 特に換気量が多い場合、空調の能力が足りず、室内が冷えない・温まらないという状況にもなり得ます。
 その際は、全熱交換器という省エネ型の換気設備の検討も必要となります。

関連記事:全熱交換器の知っておくべき基礎知識|仕組みと種類、メリットと費用


●効果的な換気対策の進め方
効果的な換気を進めるためには、まずスーパーマーケットの室内構造、換気設備の有無・エアフローを特定することが重要です。機械換気の場合は、外気と室内の空気が適切な空気量が入れ替わるように、換気設備や開口部を適切に配置することが不可欠です。
しかし、エアフロ―によっては換気対策を実施することで、異なる箇所に結露が生じてしまう可能性もあります。
詳細の確認が難しい方は、専門家にご相談することをお勧め致します。

関連記事:スーパーマーケットにおける防露設計【カビ・結露対策方法を紹介】

まとめ:スーパーマーケットの確実なカビ対策には除湿器の検討

スーパーマーケットのカビの影響や発生原理はご理解いただけたでしょうか。
カビの清掃や防カビはすぐに対策したい場合には、道具が揃えられれば大変有効なカビ対策の手段となります。
また窓がある場合には、解放することで手軽に換気によるカビ防止対策を実施することができます。

しかし、確実にカビ対策を実施したい場合には、除湿を確実に実施できる除湿器の導入がお勧めです。
除湿機を導入する前には、カビの発生原因をエアフロ―等も含めて確認しておくことも重要となります。
こちらが難しい場合には、専門家へご相談することも重要になります。
是非ご参考にしてみてください。

結露改善の事例紹介

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実際に青果市場と食品工場で実施した結露対策をご紹介しています。(同業者様は配布をお断りさせていただく場合がございます)

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