全熱交換器のメンテナンスを解説|エレメント・フィルター手入れとは

全熱交換器の維持管理にはどのような内容と手間が必要なのでしょうか。
導入してみたけれど、維持管理や点検が大変だったとならないように、
予め維持方法を確認することは重要です。

こちら記事では、全熱交換器のメンテナンス方法やお手入れ、寿命、点検といった使用開始後に関わる内容を説明しております。
全熱交換器の導入をお考えの方、お手入れ方法を知りたい方は是非ご確認ください。

   

全熱交換器の耐用年数

全熱交換器の寿命とは

耐用年数という言葉をご存知でしょうか。
耐用年数とは、全熱交換器の使用を開始してから使用に耐えられなくなるまでの年数を指します。全熱交換器の寿命と同じ意味になります。
全熱交換器の耐用年数は一般的に13~15年程度になり、耐用年数=機器の保証がされる年数ではないので注意が必要です。
実際の使用できなくなるまでの期間は、設置環境や運転時間など様々な要因が影響される為、一概に13~15年の間で使用できなくなるとは言い切れません。
詳細の耐用年数に関しては全熱交換器の各メーカーにご確認ください。

記事『全熱交換器の基礎知識【仕組みと種類と費用】』

記事『全熱交換器のおすすめの設置環境とは』

記事『全熱交換器 業務用のおすすめメーカー【居室向け】』



引用元「定期的な保守・点検のおすすめ」日本冷凍空調工業会


全熱交換器のお手入れ

エレメントのメンテナンス

全熱交換器のお手入れは、大きく2つに分けることができます。
「熱交換エレメント」と「フィルター」という二つの部材の定期的な手入れが必要です。

全熱交換器の最も重要な「熱交換エレメント」のお手入れについて説明致します。
熱交換エレメントは熱を再利用する為の重要な部品です。

【エレメントとは】
エレメントは熱を通す特殊な紙で構成されており、エレメント内に風を通す構造仕組みとなっております。風を通す際に、空気の中に含まれる埃や粉塵が使用経過期間と共にエレメントの中に汚れが溜まってしまいます。
汚れをそのままにしてしまうと熱を再利用しようとする働きの邪魔になってしまい、省エネ効果が落ちてしまう可能性があります。
また風を通しづらくなる為、全体的な換気量が減少してしまう、最悪の場合故障の原因となる可能性もあります。

【お手入れ】
下記より小型の全熱交換器のエレメントのメンテナンスの説明になります。
大型のものは別途確認が必要ですので、お問い合せください。

●頻度
熱交換エレメントの清掃頻度は2年に1度以上が目安となります。しかし、屋外に砂埃が多いなど設置環境などによって、汚れやすい機器もございます。
その場合、清掃頻度を増やすことをご検討ください。

●お手入れ方法
機器内部より、フィルターとエレメントを取り出します。掃除機によりエレメントの表面のゴミ・ほこりを吸い取り清掃します。
エレメントは比較的デリケートな部品ですので、掃除機を強く当てる等の力を加えてエレメントを潰さないように気を付けながら実施します。また特殊紙でできている為、水洗いはできませんので、あまりにも汚れがひどい場合はお問い合せにてご相談ください。
最後にエレメント、フィルターの順番で取り付けて完了になります。

●エレメント交換
清掃を実施していても、エレメントは10年に1度の交換が推奨されております。
エレメントは水洗いが出来ない為、落としきれない汚れが溜まってしまい、省エネ効果が落ちてしまいます。
汚れ具合を確認しながら、交換時期を見極めることをお勧め致します。

フィルターのメンテナンス

全熱交換器の部品の中には、エレメントとは別に『フィルター』という部品があります。

【フィルターとは】
エレメントは空気の熱交換を行う役割を担っているのに対して、
フィルターはエレメントに埃や粉塵が溜まらないように、空気から異物を取り除く役割を担っております。
フィルターは空気の流れに対して、エレメントの直前に設置されており、異物を取り除いた空気がエレメントに入り込みます。
異物を取り除く役割のフィルターは汚れやすい部品ですので、お手入れが重要になってきます。
汚れをそのままにしてしまうと風を通しづらくなる為、全体的な換気量が減少してしまい、最悪の場合故障の原因となる可能性もあります。

【お手入れ】
下記より小型の全熱交換器のフィルターのメンテナンスの説明になります。
大型のものは別途確認が必要ですので、お問い合せください。

●頻度
フィルターの清掃頻度は1年に1度以上を目安に実施してください。
エレメント同様に設置環境によって汚れるスピードが異なる為、汚れがひどい場合は清掃頻度を増やすことをご検討ください。

●お手入れ方法
フィルター清掃の注意点としては、フィルターを外した状態で運転しないように注意が必要です。フィルターを取り外した状態で運転をすると、異物の混じった空気が直接エレメントの中を通り、エレメントの詰りの原因・劣化に繋がる可能性があります。

まずは機器本体からフィルター(エアフィルター)を取り外します。
外したフィルターは掃除機もしくは水洗いで清掃を行います。汚れがひどい場合には、柔らかなブラシもしくは中性洗剤を使用して清掃を行ってください。
50℃以上のお湯での清掃、掃除機を強く当てる、強い衝撃を与えないよう注意してください。破損や変形、耐久性低下の原因となる可能性がございます。
その後、水切りをした後、日陰で乾燥させます。直接日光に当てると変色や変形の原因となる可能性がありますのでご注意ください。
また異臭の原因となりますので、きちんと乾いていることをご確認ください。
乾燥しましたら、フィルターを機器本体に戻します。

●フィルター交換
こちらもエレメント同様に、汚れが落とせなくなるタイミングで交換が推奨されております。製品を長く安心して使用する為の推奨交換時期は3年に1度が目安になっております。
こちらも設置環境やメーカーにより異なるので、メーカーへの確認が必要となります。


※作業の注意点
全熱交換器が高所に設置されていることは稀ではありません。
先程のフィルター・エレメント清掃を実施する際には、脚立を立てての作業が必要となり、事故が発生する可能性があります。
その際には、無理をせず清掃業者に依頼することを推奨致します。

全熱交換器の点検

保守点検

全熱交換器の保守点検について、解説していきます。
定期的な保守点検を実施することで下記の効果が得られます。
①未然に故障を予防できる
②適正な状態での運転が維持でき、省エネ効果も維持できる
③機器の寿命を延ばすことに繋がる
④機器の異音や振動を抑制する

定期的に行う点検の項目と周期目安は下記のとおりなります。
日本冷凍空調工業会の「定期的な保守・点検のおすすめ」を元に、専門業者でもなく点検できる項目を抜粋して掲載しております。
また点検項目を簡易的に表示しておりますので、詳しく確認したい方は前述の日本冷凍空調工業会の資料をご確認ください。

※下の点検内容は例となります。無理な姿勢や脚立使用の場合、もしくは初めてご自身で実施される場合は、必ず事前に専門業者へご相談ください。

法定点検

また空調機、エアコン等で定められている法定点検という点検がございます。
こちらに該当すると、フロン抑制法における法定点の義務が発生し、各企業では点検を実施・記録をしております。
設備に大きさによっては、3年に1度の専門業者の点検が義務づけられております。
こちらの法定点検は、内部に冷媒ガスを使用していない全熱交換器は該当しません。
冷媒ガスを使用していない全熱交換器では、法定点検等で確実に発生してしまう点検費用というものはございません。

まとめ

全熱交換器を使用していく上で、必要なメンテナンス・お手入れ内容はご理解いただけたでしょうか。
実際には目視点検の項目も多く、ご自身でもできる可能性があるメンテナンスが多いこともお分かりいただけたと思います。

しかし、交換目安の判断や作業が困難な場合は、清掃業者・換気設備の専門家にご相談することを推奨致します。
全熱交換器を長くご使用いただくために、是非ご検討ください。