建設工事現場におけるドローン活用と事例のご紹介

建設現場では、益々ドローンの活躍が見込まれています。高い場所の点検や険しい地域での土地調査など、人の手には及ばない多くの作業が、ドローンにより可能になりつつあります。更には作業の危険性を軽減し、作業効率を飛躍的に向上させることができるが期待されています。

こちらでは、実際に施工現場におけるドローンを使用した施工管理事例をご紹介したいと思います。

   

建設現場におけるドローン活用のメリットと撮影事例

建設現場におけるドローン活用のメリット

革新的な技術として、ドローンが建設業界に革命を起こしつつあります。高所での撮影や検査、精密な地形の測量など、従来の方法では時間とコストがかかり、安全性にも問題があった作業を、ドローンが容易にし、より早く、より安全に行えるようになりました。
ドローンのメリットは以下の通りになります。

【建設現場のドローン活用のメリット】
①危険作業の安全且つ効率化
現場のリアルタイムな空撮が可能になり、プロジェクトの進捗管理が格段に向上しました。高所や危険な場所での検査作業も作業員による作業から、ドローンに代わることによって安全かつ効率的に行えるため、リスクを軽減し、人的資源を適切に配分することが可能になりました。

②ドローンによる人的コスト削減と効率化
ドローンの導入により、建設現場ではコストの削減と作業の効率化が進んでいます。従来は人が行っていた測量や検査などの作業をドローンが担うことで、人件費の削減や作業時間の短縮が可能となります。特に地形測量に関しては、ドローンにより得られる詳細な地図データは、無駄な作業を減らしすことにも繋がります。

③施工管理の効率化
リアルタイムでの撮影は視覚化データの迅速な提供が可能です。建設現場では様々な課題や決定事項が突発的に発生します。現場の様子を空から捉えた映像は、その場で適切な判断を下すための貴重な情報源となります。例えば、進行状況を詳細に監視したり、変更が必要な状況を即座に見つけ出せたり、写真を活用して施工シミュレーションをして施工ミスを削減することに繋がります。現場監督や作業員への共有だけでなく、設計者や施主への情報共有にも役立てることができます。


次からは実際に建設現場でドローン撮影をした実例のご紹介となります。

定点観測1

撮影に関し心掛けして撮影した方法を中心にご説明させて頂きます。まず使用機材はDJI MINI2になります。ズームx4、動画は4Kまで撮影可能な小型ドローン(200g以下)の規制対象外となる物になります。※トップ写真ご参照。残念ながら2022年6月以降より規制対象です。
今回ご紹介する現場は、ライフコーポレーション様のバイオガス発電設備の当社施工管理現場になります。


敷地全体が入る位置、方位、角度、高さを決めて撮影します。
※杭打ち工事の施工状況

定点観測2

同じ場所から撮影することで施工状況の変化を正確に把握することが可能です。
※タンク基礎コンクリート打設工事の施工状況

建物毎に絞ってピンポイント空撮の事例

建物を上空から撮影する事で工法、進捗などの把握がすぐに出来ます。
排水処理槽躯体の配筋、型枠同時施工に関する状況

建設現場のドローン撮影写真の活用事例

上空からのドローン撮影の事例

真上から撮影すると敷地全体の現況把握にとても便利です。
特に雨でぬかるんだ場所や残土の位置、その量、資材置き場に至るまで現況把握に威力を発揮します。今回は定例会議前に撮影しA1印刷することで会議時の説明に活かしました。また協力業者との現場打合せにも有効で、クレーン配置や資材の荷下ろし位置なども正確に指示が出来ますので新築工事現場にはぜひとも欲しい機材になります。でも一番良かったのは、現場にいない方へ現況空撮を送ることで説明せずに現況が解るところだと思います。

完成写真のドローン空撮事例

施設全体が映るのは空撮最大のメリットです。
ホームページにも使えます。

●航空写真としても格安
以前のセスナでの航空写真に比べ安価かつ高解像度の撮影が可能です。
※投稿した写真は解像度を落としております。

これからの空撮事情

建築業界では近年、ドローンを使用した各種サービス業務が浸透してきました。ドローンによる屋根診断、壁の点検などは、以前は足場を立てて行っておりましたがドローンなら不要です。現場の測量など幅広い利用が進んでおります。
菱熱工業でもいち早くドローンを採用し施工管理の効率化に成果を上げております。今後も期待される分野であると考えております。半面利用が進んだことで日本政府も法整備を進めており航空法の改正が有りました。令和2年6月24日に公布された改正航空法に基づき、無人航空機の機体の登録制度が創設されました。所有者等の把握、危険性を有する機体の排除等を通じ無人航空機の飛行の安全の更なる向上が目的とされています。それに伴い、令和3年11月25日に公布された政省令等により、令和4年6月20日に無人航空機の登録が義務化されます。
撮影機材は200g以下のドローンで対象外でしたが今回の改正に伴い機器登録を行いました。これからも法規制に対応し合法的に利用を続けていきたいと考えております。