飲食店や食品工場等を営んでいると食品を扱う現場ならではの様々な問題や課題が出てくると思います。
例えばレイアウトの問題、冷えないや暖まらない、蒸し暑さや臭いの空調換気設備の問題、水回りやユーティリティーの問題などがあると思います。
多種多様な問題がある中で何から手を付ければよいか困ることはないでしょうか？
また問題を解決する為には大きな設備投資を行う場合も多く、慎重な検討が必要となります。
このコーナーでは問題を整理し、適切な設備投資を行う一つの検討方法として「ビジネスフレームワーク」の「緊急度・重要度マトリクス」を紹介していきます。
食品を扱う現場の課題と設備投資の考え方
食品工場・飲食店の設備投資の課題
先述したように食品を扱う食品工場や飲食店の課題は多岐に渡ります。
食品の保管、調理過程、労働環境、衛生管理等の管理対象が多い為、課題が複雑化しやすい傾向にあります。どれから手を付ければよいかわからない、全て対策することは困難だと思われている方も多いはずです。
特に食品工場は高い衛生管理基準が基本となっており、故障リスクを軽減することも加味した設計となっていることが多く、一つの工場で多くの設備が設けられており、担当者を悩ます種にもなっています。まずは複雑化した課題の整理を行うことが、設備投資を行う上ではじめの一歩となります。
食品工場・飲食店の適切な設備投資とは
まず設備投資の根本としては、設備投資を行ったことによる利益を確認することが重要になります。例えば、今まで対応しきれない部分まで対応可能となり競争力を高める、生産数を上げる・生産性向上による収益UP等が考えられます。
適切さを確認する為には、投資対効果（投資回収機関）を確認することが重要です。設備投資としての出費を、先程の設備投資したことで得られる効果（費用）により、どのくらいの期間で回収できるかが重要な指標となります。あまりにも長い投資回収期間となる場合は、その設備投資を見送った方がよいかもしれません。
食品工場・飲食店の設備投資の優先順位はどう決める？
ビジネスフレームワーク「緊急度・重要度マトリクス」
設備投資の概要を説明したところで、実際にどのように課題の優先順位を決めていけばよいのでしょうか。
今回は問題解決の優先順位を決める「緊急度・重要度マトリクス」というフレームワークを紹介いたします。
「緊急度・重要度マトリクス」は「７つの習慣」という有名な本の著者：スティーブン・コヴィー氏が提唱したタスク管理法です。課題が複雑化しやすい食品を扱う現場にはマッチした方法です。
緊急度・重要度マトリクス
概要
「緊急度・重要度マトリクス」は問題の優先順位を「緊急度」と「重要度」の二つの点から整理・検討するフレームワークです。このマトリクスで全体像を可視化し、優先順位を決めていきます。
具体的な使い方ですが、まずホワイトボードかA3用紙を用意して縦軸に重要度の高低、横軸に緊急度の高低を記入します。そして今ある問題を付箋に記入し、マトリクス上に配置します。
重要度が高く、緊急度が高い問題が、もっとも優先順位が高い問題です。
重要度、緊急度のどちらかが高い問題は判断が難しい問題です。費用対効果を検証して再検討すると優先度を整理できるかもしれません。
重要度、緊急度がどちらも低い問題は先送りにしても良いかもしれません。ただし年数が経つと重要度、緊急度が変化することがありますので注意が必要です。
実例
何を重要、緊急な問題と判断するかは立場やシチュエーションによって変化します。
例えば食品工場で「虫が食品に混入した」という問題があったら、付箋にその問題を書きます。これは重要度も緊急度も高い問題なので右上に配置します。
その他にも「滑って転んで労災が発生した」という問題なら、付箋にそう書いて配置します。これをどんどん繰り返しています。
付箋が多くなったら配置個所を検討して移動していくことがポイントです。
最終的にマトリクスの右上の部分に残った問題が重要かつ緊急性の高い問題となります。例では「虫が食品に混入した」が当てはまりました。
まとめ
このコーナーでは飲食店や食品工場の設備の問題解決方法を中心にした記事を配信していきます。
「ビジネスフレームワーク」は問題の解決に向けた設備投資の優先順位を決める手助けになります。今回は問題の優先順位を整理する「緊急度・重要度マトリクス」を紹介いたしました。
みなさまが抱える問題解決の手助けになれば幸いです。
