換気の能力とはを解説【換気量と静圧の確認の仕方】

昨今感染症対策で換気に関して、関心が高まっており、対策される方が増えております。
そもそも換気とは、新鮮な空気を導入して、汚染空気を室内から排除することにより、室内の空気環境を改善することを目的としております。
充分な換気が行われていないと、室内の人の呼吸もしくはガスコンロなどの燃焼機器によりCO2濃度が増加し、
粉塵や臭気等が室内に困り健康上に影響を与える場合があります。
また昨今では感染症対策として、十分な換気をされていることは安心できるひとつの条件・要素になっております。

換気の重要性をご理解している中で、換気を増やす必要性を検討をされている方も多くいらっしゃいます。
しかし、本当に導入する必要があるのか確認の仕方がわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
下リンクに必要な換気量の求め方を記載しておりますので、そちらで必要な換気量を求めるのにお役立ていただけます。
記事:換気量の計算の仕方|感染症対策の基準を用いた
その上で、既存の換気量を確認する方法を換気の能力とは何かを踏まえてご説明致します。
必要換気量を調べた上で、本当に足りているのかの確認の際に、お役立てください。
また省エネ性の高い換気設備の全熱交換器の導入の際にもお役立ていただけます。
記事:『全熱交換器とは|メリット・デメリットを解説』


まずは換気の能力を構成する要素「風量」と「風圧」を見ていきましょう。

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換気の能力とは

風量とは

まずは、換気を行う際に設置される送風機の仕組みを簡単にご説明致します。
送風機内の羽根車といわれる部分を、電気エネルギーにより回転させることで、回転の力を風のエネルギーを変える仕組みで風を作り出しております。
そして、その風のエネルギーは風量と風圧の2つの要素に分解できます。

まずは耳にされる方も多い風量に関して、確認していきます。
風量とは、送風機が単位時間当たりに移動させる空気量のことを言います。
換気設備では、排気用途で使用している場合の風量を排気量、給気用途で使用している場合の風量を給気量ということがあります。
一般的に単位は、㎥/h又はCMHという1時間当たりの空気量、あるいは㎥/min又はCMMという1分間当たりの空気量があります。
1時間もしくは1分間あたりの風量なのか、単位時間をきちんと確認することが重要です。

㎥/h又はCMMを1時間当たりの風量に換算したい場合は、風量に60(分)を掛ければ1時間当たりの風量になります。
その逆を求めたい場合は、60(分)で割れば求めることができます。

こちらの空気量・風量は換気量とも言われます。
換気量と言われる場合は給気・排気のどちらも目的でも指すことが多く、目的毎に合わせて給気量・排気量と使い分ける場合もあります。

風圧とは

続いて、風圧とは何か確認してみましょう。
風圧とは、送風機により空気に与える圧力のことを言います。
圧力と言われるとイメージしづらいですが、吹出した空気で近くの紙が吹き飛ばされると思いますが、その吹き飛ばす力のことをいいます。

単位はPa(パスカル)で表すことができ、大気圧と比較して高い圧力を正圧といい、比較して低い圧力を負圧と言います。
風圧は静圧の言われる圧力の種類の1つになります。
静圧とは、静止した空気が周囲を押す力のことを言います。例えば、タイヤや風船は空気の流れがない状態ですが、空気を封入することで周囲を押す圧力が発生し張りがある状態が保たれています。その押す力が静圧であり、一般的に風圧はこの静圧のことを言います。圧力が高いほど力は強くなり、空気を遠くへ飛ばすことができます。

送風機の確認の仕方

送風機の種類と用途

前述した風量と風圧をご理解いただいたところで、送風機に関してみていきましょう。
送風機の種類と特徴を代表的な3つを説明しております。
【プロペラファン】
・風量が多くとれるが、圧力は低い
・標準の換気扇のような圧力を必要とせず、多くの風量が必要な場合に使用
【シロッコファン】
・小形で風量と風圧が高い
・天井裏等の狭い空間で圧力が必要な場合に使用
【ターボファン】
・シロッコファンと比較して、更に風量が多い
・コンロ上に設置された排気ファンなどのレンジフード等に使用

記事:機械換気と自然換気の換気種類を解説

送風機の能力を知りたいときは

では実際に送風機の能力を確認したい場合には、どのように確認すればよいのでしょうか。
最も簡単な方法としては、図面を確認する方法です。
機器表と言われる機器の一覧表に、風量や型式の記載がある場合がございます。
図面が手に入る場合は、確認してみてください。

もし図面が手に入らない、記載がないという場合には、送風機の場所を把握している場合には本体を確認する方法があります。
天井内に隠れている場合もあるので、場所の確認は必要になるかもしれませんが、
機器本体に貼られている機器の型式ラベルの確認ができれば、型式を検索すると調べることができます。
安全を確認していただいた上で、可能でしたら是非試してみてください。

記事:換気増強を行う際の注意点を解説

換気設備以外の換気基準:CO2濃度

感染症対策で換気は注目を集めておりますが、別の観点から換気ができているかの確認をする方法があります。
二酸化炭素は、無色透明であり目に見えませんが、在室者の呼吸により常に増加しております。大気中の二酸化炭素濃度は一般的に400ppm前後です。二酸化炭素濃度を空気の清浄度の指標として使用することが多く、建築基準法では1000ppmまでは増加してもよいとされています。
この清浄度の指標を「換気ができているか」「できていないか」の指標に置き換えることができ、CO2センサーを設置している飲食店を見る機会が増えてきました。

実際にCo2濃度が高くなると、耳鳴り・頭痛・血圧上層が現れ、最悪の場合、痙攣や生命の危険へと繋がりますので、測定することは大変重要です。
普段の生活では二酸化炭素濃度は目に見えないからこそ、気を付けたいですね。

まとめ:現在の換気能力を知るには専門家へ

換気の能力に関して、ご理解いただけたでしょうか。
風量と風圧で構成されており、用途や環境に合わせて必要な換気能力が選ばれております。
しかし実際にどの程度の換気の能力があるのかは、図面がないと確認が難しい場合が多いです。また図面を見ても、該当する場所・設備がわからない等、少し専門的な知識が必要となるかもしれません。
その場合は、無理に確認しようとせず専門家へご相談いただいた方が、安全且つ早く解決できます。是非ご相談してみてください。

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設備
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