積雪が空調換気設備に及ぼす影響と対策|シネマの例

雪に慣れていない地方では、雪が少し積もった時に交通状況に大きな影響を与えます。
交通状況だけでなく、空調機にも影響を与えます。
雪の時のトラブルについて少しでも知見を蓄えて頂き、トラブルを減らせればと思います。
では、実際にどのような影響があるのかを見ていきましょう。

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積雪が空調機に及ぼす影響

積雪による空調機の被害

北海道のような寒冷地では、積雪対策が事前に行われている場合が大半です。しかし、積雪に慣れていない地域では、急な積雪により空調換気設備が使用できなくなる事態が考えられます。
実際にはどのような被害・懸念点が考えられるでしょうか。
●積雪による重み
雪が降り積もり、想定されていない重みが機械設備への荷重負荷となります。劣化状態がひどい場合には、重みに耐えきれず不具合を招いてしまう可能性も、積雪・劣化状態によってはゼロではありません。

●凍結による配管破裂
空調機には加湿器が搭載されており、加湿の為の給水が配管を通して供給されています。空調機を使用しない時間帯に、加湿の配管が凍結、水が膨張してしまうことで加湿配管が破裂する不具合を招く可能性があります。

●積雪により空気の循環不足
空調機の室外機は、機器に風を通すことで温かい空気を作り出しいます。しかし、その空気の通り道を積雪によって雪が邪魔し、循環する空気が不足すると温かい空気が作れなくなってしまいます。

●霜取り運転の長期化
 故障ではありませんが、空調機に霜がついてしまった際に、霜取り運転というモードに自動的に切り替わります。積雪するような外気温が低い日には、なかなか霜が取れず霜取り運転時間が長くなってしまう傾向があります。
霜取り運転時は室内には冷たい風が吹いてしまうため、結果として室内が暖まりにくい現象が起きてしまいます。

雪の予報の際に注意すべき点

空調機の設置位置を確認

雪の予報になった時に、空調エラーが出やすいか出にくいかを確認するときは、空調機の設置位置が屋上か、機械室内かをまずは確認しましょう。

屋上に機械が設置されている場所では外の寒さを直に受けてしまう為、空調エラーが出る可能性がありますので、注意が必要です。
しかし、一見室内に空調機があるからと安心していたところ、室外機は屋外にあったというパターンも考えられます。空調システムによって室外機と室内機の設置場所が離れていたり、一体型の場合がある為、一度専門家に確認することも重要です。

空調システムを確認

機械の設置位置の次に重要なのが、前述した空調機のシステムです。
エアハンドリングユニット、ガス式の空調機、電気式の空調機のどれに当たるのかを確認します。
空調機には一般的には電気で動くEHPという種類と、ガスで動くGHPという種類に分けることができます。
また熱源を別のところから供給されるエアハンドリングユニット(エアハン)と呼ばれる種類もあります。
このように、どの空調方式・システムかによってエラーの発生率は
変わってくる傾向があります。

電気式の空調機だった場合、空調エラーが発生する可能性あります。

雪と空調エラーの関係

なぜ雪が降ったらエラーがでるのか

雪が降るということは、外気温がかなり低くなっている状況です。
エアコンには、暖房運転時に室外機の凍結を防止する機能(霜取り運転)が備わっておりますが、外気温が寒すぎた場合や、雪が室外機に付着し、室外機が凍結してしまった場合にエラーが発生します。

エラーが出た時の対処法

霜取り運転によるエラーの場合には、機械の不具合によるエラーではなく、
機械を保護させるため(機械の運転をとめるため)にでるエラーとなるため、特別な修理は必要になりません。

しばらく運転を停止させ、時間が経過したらリモコンで運転ボタンを押ししてみましょう。
(短い間隔でON-OFFを繰り返す行為は、機械に負担が掛かりますのでやめてください)
しかし、積雪のあるような寒い日にリモコンの運転ボタンを押してもエラーが解消されない場合には、別の不具合が生じている可能性もあります。その場合は、早めに点検調査を行う必要があります。
屋上に上がってお湯を掛ける行為は、雪も積もっていたりして、転倒で怪我をする場合もありますので、止めましょう。

まとめ

大雪が降って、空調エラーが出てしまった時は、できることがありません。
可能な対策としては、雪が降る前に、予め室内を暖めておくしかできることがありません。
シネマにおいては、人の出入りが少なく気密性が高い空間の為、予め暖めておく対策は、他の建物と比較して大変有効です。
是非、極寒における室温に関してお悩みの方は是非ご検討ください。

少しでも、早く復旧したい場合は、
雪が積もる前に室外機に雪が積もらないように、雪除け対策をしておく。
雪が積もってしまったあとであれば、室外機に付いてしまった霜を溶かす
(屋上は雪も積もっていて、足元も滑りやすいので、細心の注意を払って実施してください。)

という作業しかできません。

大雪予報が出ている時は、雪に慣れていない(人も空調機も)地方の場合は、
思い切って上映をストップ(雪の中映画を見に来る人の少ないでしょう…)も一つの手かもしれません。

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