
最近テレビや新聞などのメディアや街中で「大豆ミート」という言葉を目にする機会が多くなったと思います。最近でこそ多くの人に認知されはじめている大豆ミートですが、2年程前までは日本での認知度は低く「大豆ミート」という言葉を聞いてもその見た目や味の想像がつく人はほとんどいなかったはずです。
今回は大豆ミートとはそもそも何なのか、それから大豆ミート以外の植物肉についても簡単に紹介していきたいと思います。
大豆ミートとはそもそも何なのか?
そもそも大豆ミートって何?【大豆ミートの材料と製造】
「そもそも大豆ミートとは何なのか?」という一番初めのところからお話していきます。大豆ミートとは、文字の通り大豆を原料として肉のような見た目と食感に加工した“代替肉”です。別名で「ソイミート」とも呼ばれています。大豆ミートを作るときには、一般的な豆粒の状態からではなく、“脱脂大豆粉”と呼ばれる大豆そのものから油分を取り除いた粉末状のものを使います。
ちなみに“きな粉”は同じく大豆を粉末状にしたものですが、一度煎じた大豆を使用します。“大豆粉”は一般的に生の状態の大豆を粉末状にしたものを指し、その中でも脱脂されたものを“脱脂大豆粉”と言います。
専用の機械を使用して高温高圧の状態で脱脂大豆粉に水を加えて練りこむことで肉のような繊維質になった大豆ミートが出来上がります。ここで出来上がったものをハンバーグや唐揚げなど食品の状態に加工していくことで、飲食店や店頭で見る大豆ミート食品の完成となります。

大豆ミート以外の様々な代替食品(代替食品のメリット・デメリット)
身近な代替食品の例
先程、大豆ミートを“代替肉”であると説明しましたが、他にも代替食品は意外と皆さんの身近なところで活躍しています。
例えば、マーガリンはもともとバターの代替品として考案されたものです。バターは動物系の原材料(牛乳)から作られるのに対して、マーガリンは植物系の原材料(大豆・コーン油等)から作られてるという違いがあります。
他には蟹の代替食品の「カニカマ」、ビールの代替食品の「発泡酒」など、本来の食品と同じくらいの需要があるような代替食品も世の中には出回っています。
「マーガリン」はバター不足の背景から生まれ、「カニカマ」はクラゲを輸入禁止から(諸説あり)試行錯誤した結果生まれた商品です。
また「発泡酒」は手に取りやすい価格で美味しくビールを提供する思考の元で生まれています。その時代の供給状況やニーズに合わせて食品も発展を遂げており、大豆ミートも今の時代に沿った新しい食材といえます。

代替食品を活用するメリット・デメリット
代替食品を活用する事には以下のようなメリットがあります。
・本来の食材に比べて低コストでの購入が可能である
・アレルギーのある方やヴィーガンの方でも、味や食感の類似した代替食品なら食べられる
・本来の食品から代替食品に置き換えることで摂取カロリーなどを抑えられる
一方で以下のようなデメリットも挙げられます。
・味はどうしても本来の食品に劣る
・栄養バランスが悪くなる
・調理方法が限られる
大豆ミートのメリット・デメリット
大豆ミートのメリット
大豆ミートには以下のようなメリットがあります。
●低コストでの購入が可能
大豆ミートはそぼろ・ブロック等の形状にもよって異なりますが、1㎏あたり1300~2300円程度でネットにて販売されています。
また唐揚げを想定した場合、鶏もも肉は100g当たり80~120円、
1㎏あたりに換算した場合800~1200円となります。
大豆ミートの乾燥状態で比較した場合、1㎏あたりは割高となってしまいますが、調理する前に水で戻す必要があります。
その際に3倍に膨れ上がる為に、水戻しをした状態での1㎏換算した場合は435~770円程度となり低コストでの購入が可能になります。
また大豆ミートは必要量だけ水に戻すことで、乾燥状態のものは通常のお肉よりも長く保存することができるのも魅力です。
●ベジタリアンやヴィーガンの方でも、お肉の味や食感を楽しめる
●脂質摂取を抑える、栄養バランスを整える
大豆ミートは植物性タンパク質になります。通常の鶏肉・豚肉・牛肉は動物性たんぱく質と言われ、大豆ミートと比較すると脂質が多い傾向にあります。
こちらの2種類のたんぱく質には、それぞれの良い部分があり、バランス良く摂取する事が最も重要になります。
大豆ミートは、脂質を抑えながらタンパク質を摂取する、もしくは食事の植物性タンパク質が不足している際の選択肢として活用することができます。
また動物性たんぱく質には含まれていない、食物繊維や大豆イソフラボンが含まれていることも大きなメリットになります。腸内環境を整えることができ、便秘解消に繋がります。また大豆イソフラボンはエストロゲンという女性ホルモンに似た構造を持つため、女性の健康や美肌を助ける効果があるとも言われております。

大豆ミートのデメリット
大豆ミートのデメリットは以下が挙げられます。
●大豆の臭みを感じる場合がある
昨今では大豆ミートの製造や調理方法が進化しており、あまり聞かれることは少なくなりましたが、大豆の臭みを感じる場合があります。
また大豆の臭みを消すために、味付けや調理方法がある程度縛りが出てきてしまいます。こちらは今後更なる研究や開発が進んでいき、更なる進化が見られるかもしれません。
●調理に手間がかかる
大豆ミートは乾燥タイプの場合、下味をつける前に、水に戻す、茹でる、洗う、絞る等の調理の手間が増えてしまいます。
乾燥タイプは長期間保存ができる分、食べるまでの手間が増えてしまうことがデメリットになります。
今後の食を支える大豆ミート
大豆ミートとは何かご理解いただけたでしょうか。
技術の進歩により、昨今の世の中では様々な代替食品が誕生しています。
中でも大豆ミートは食糧危機の問題が危惧される中で、これから更なる普及と活躍が期待されるでしょう。
また、食の多様性や健康志向の高まりに柔軟に対応できており、今後メインとなる食材になるかもしれません。
食のニーズに合わせた大豆ミートをご検討の方は、是非下のボタンからご相談ください。