企業が行う省エネの効果とメリット|空調の設定温度と費用対効果

地球温度化の課題は、豊かな生活を続けていく中で無視できない存在になってきています。地球温暖化の主な原因となる二酸化炭素(Co2)の排出を抑える省エネルギーを個人・企業でも取り組むことが大切になってきております。

こちらでは、企業が省エネルギー(以下省エネ)活動に取り組む目的や効果等の基礎的な内容を説明しております。
これから省エネについての基礎について知りたい方におすすめです。

   

企業が取り組む省エネ効果

省エネと目的

電気ガスなどのエネルギーは、私たちが生活していく上で、快適性を提供するエネルギーとして切り離せない存在です。
エネルギーを作り出すにはCO2排出が必要となる方法が用いられています。
その中でも、エネルギーの利用側もエネルギーを合理的に使用することが推進されております。

省エネルギー(省エネ)とはエネルギーを効率的に使用することを言います。

省エネルギーの取り組みが注目される背景には、地球規模の環境問題として初めて国際的に取り上げられた1992年6月に開催の「環境と開発に関す津国連会議(地球サミット)」があります。この地球サミットでは、「環境と開発に関するリオ宣言」「気候変動枠組条約」「生物多様性条約」「森林原則声明」「アジェンダ21」の5つの条約が締結されました。
その中でも、「気候変動枠組条約(UNFCCC)」は、二酸化炭素を初めとした温室効果ガスの削減の為の国際的な枠組みになります。

「気候変動枠組条約」を受けて、1997年に京都にて第3回気候変動枠組み条約締約国会議において「京都議定書」が国際的に取り決められました。
京都議定書では、先進国を対象に1990年比で温室効果ガスの排出量を5%削減するという目標が定められました。

日本においては「京都議定書」を受けて、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)が改正されております。
企業の取り組みの中では、こちらの省エネ法が多く関わってきます。
省エネ法では、事業者に対して省エネの各種報告義務や努力義務を求める内容です。
エネルギー毎や、事業種・規模感で細かく定められていますので、どの対象になるのか確認しておくことが重要です。

省エネを行うメリット

企業が省エネを行うメリットを紹介致します。

①企業価値の向上
企業はCSRという企業が組織活動を行う際に担う社会的責任が生じます。社会的責任とは、環境への配慮等の社会貢献も含まれており、適切な決定を行う責任です。
省エネに取り組むか活動をCSRとしてアピールすることで、イメージ向上に繋がります。安心・安全なイメージやブランドの認知工場等、最終的に利益向上に結び付く場合があります。

②エネルギー費用の削減
省エネ=エネルギーを効率的に使用することで、エネルギー費用を抑えることが出来ます。また、エネルギーの使用が削減されることで、設備機器の使用時間も削減されれば設備機器の劣化スピードを抑え、修理費の削減に繋がる可能性もあります。
その中でも、空調換気設備・照明設備・昇降機等は生産設備とは異なり、企業における利益には結びつかない機器になります。
そのような機器のエネルギーコストを如何に抑えるかが重要になります。

空調の省エネとは

推奨設定温度とは

空調機における省エネについて確認してみましょう。

空調換気設備には様々な方式があり、ベストな省エネ方法を提示することは難しいです。
ですが、どの空調機に該当する内容が温度設定です。

環境省の「温室効果ガス排出削減等指針」によれば、一般的に冷暖房温度を1℃緩和することで、熱源設備で消費されるエネルギーは約10%削減できると言われております。
過剰な冷暖房の設定温度を利用者の快適性を損なわない範囲で緩和し、CO2排出の削減を図ることを目的としています。
【概要】
建築物における衛生的環境の確保に関する法律、及び、労働安全衛生法における温度基準の範囲内(17℃以上28℃以下)の室温となるよう冷暖房機の設定温度を見直すとともに、設備運転のこまめな調整を継続的に行う

推奨の室温としては、夏期28℃、冬期20℃とされております。
しかし室温=エアコンの設定温度ではないので、注意が必要です。
設置環境や周辺環境によっては、28℃の設定にしても必ずしも28℃にならない場合があります。正確に室温を28℃に保ちたい場合は、別途温度計を準備して確認しながら温度設定を行うことが大切です。
特に人が常時滞在していない共有部等の積極的な検討が勧められています。

省エネの投資回収とは

では、省エネの効果はどのような基準で考えればよいのでしょうか。
一般的には投資回収の期間を省エネの導入基準にします。
投資回収とは、省エネ効果が得られるサービス・設備の投資資金を、導入したことで得られる効果(今回は省エネによるコスト削減)により、投資資金をどのくらいの期間で回収できるかの計画指標になります。
これにより、投資した金額を回収し終えた時点以降は、会社に利益を生み出すタイミングを予測することができます。

設備の投資回収の一般的な水準基準は2年以内と言われています。
一概には言い切れませんが、2年以上の場合は、失敗のリスクが高まる為、再度計画を慎重に見直し、見送る選択肢も大変重要になります。

省エネの投資回収期間を構成する要素としては、「大きな省エネ効果が得られる」、又は「初期投資がとても小さい」の2要素となります。
こちらは省エネ対象機器の建物も含む設置環境や、室内の用途によって、ベストな内容は異なります。
省エネ提案をご希望の場合は、専門業者へとお問合せください。

企業向け省エネ補助金

補助金とは

最近では省エネ化を進める為に、補助金制度が増えてきています。
省エネの補助金は基本的には、省エネ効果の高い空調換気設備を導入する際に活用できる補助金になります。
国や自治体等によって様々な要件が提示されます。
こまめに情報の収集を行う、もしくは詳しい設備会社に問い合わせすることをお勧め致します。

今回は代表的な省エネの補助金を紹介致します。
※過去の公募情報から厳選して情報をお送りしている為、現在も公募中の内容ではございません。年度毎に更新される場合がありますので、最新情報を各省庁・自治体のHPをご確認ください。

①先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金
 経済産業省 資源エネルギー庁
事業者が更なる省エネ設備の入れ替えを促進する為の、省エネルギー設備の導入を支援している補助金になります。資源エネルギー庁のHPでは家庭向け、事業者向けと内容を分けて解説されていますので、是非ご確認ください。

②省エネルギー投資促進に向けて支援補助金
 環境省 補助金制度・支援制度より
 事務所、ホテル、病院、百貨店、学校、集会所等の用途の建築物において、条件を満たす高性能設備機器等の導入に対して補助を行う補助金です。2018年度の予算総額案は600億円となっております。また他には、「中小企業等に対する省エネルギー診断事業費補助金」という省エネの診断に関わる支援制度があります。
対象が細かく分類されている為、最新の情報をご確認ください。

③既存建築物省エネ化推進事業化
国土交通省
既存建築物における民間事業者等が行う省エネルギー改修工事や、省エネ工事+バリアフリー工事に対して、事業の実施に要する費用の一部を支援するものです。構造躯体や建築設備の小エネルギー回収に関するものが対象となります。(生産用設備や後付けの家電等は対象外)建物全体での省エネ効果が主な要件となる為、詳細はHPをご覧ください。

補助金活用以外の省エネ導入

省エネ対策には様々な方法が検討できます。

補助金関係なく、身近にすぐできることは機器のメンテナンスになります。
メンテナンス無で使用していたことにより、ベルトが緩みやフィルターの詰りなどで、
通常の風量を出せず、電気を消費していた等の知らない間に無駄な消費が発生しています。
空調換気設備の種類によっては目視にて点検が可能な場合もありますので、是非確認してみてください。

また省エネを検討する際に考えられる方法としては、
既存の空調設備をより省エネ性の高い高性能な機器に更新することで、
省エネを図ることができます。
こちらは補助金が該当する場合もあり、補助金を活用し初期投資を抑えた入替が可能になるかもしれません。
しかし上記の内容では、機器代や工事費のコストが大幅に発生してしまう可能性がございます。

またもう一つの方法としては、空調換気設備を現状に合わせて制御を行う省エネを図る方法になります。
例えば大きなファンを常時運転させている場合では、センサーなどの測定結果を元に必要最低限の稼働で抑える制御を組むことも可能です。特に大空間等の換気設備は大型になる傾向が高く、同時に消費電力も上がりやすい傾向にあります。よって、省エネ性能が高い新しい設備に交換するよりも、手っ取り早く高い省エネ効果が得られる場合があります。
ですが、どこまで省エネで抑えられるかは用途や設置環境等によって異なってしまいます。まずは省エネを検討している旨を専門会社にお問い合せしてみることがお勧めです。

まとめ

省エネとは何かご理解いただけたでしょうか。
省エネは地球規模での取り組みであり、各国々が責任を持ってCo2削減に取り組もうとしております。
またその為に補助金等の省エネを促進する制度は随時発表されており、補助制度を上手く活用することも重要です。
企業としては企業価値の向上等のイメージ戦略にも繋がります。
検討される方は様々な方法から費用対効果を見据えた方法を選択することが重要になります。

作者名
設備
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