換気設備を全熱交換器に入れ替えるべき設置条件と効果の具体例を解説

全熱交換器という言葉を耳にすることが多くなりました。
省エネ性、室温の維持がしやすいところに注目を集めております。
物価が上昇する中、電気代・ガス代を如何に下げるかを気にする方も多いかと思います。

全熱交換器は特殊な換気設備になります。
通常の換気設備を全熱交換器へ入れ替えることによってどのような効果をもたらすのでしょうか。
また全熱交換器への入れ替えが適する設置環境とはどのような環境なのか説明を致します。

全熱交換器導入をお考えの方には、是非読んでいただきたい内容となっております。

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全熱交換器とは

全熱交換器の仕組み

全熱交換器とは、省エネ効果のある換気設備になります。
換気は、室内の空気を屋外へ排出し、屋外の新鮮な空気を取り込むことを言います。
夏場の場合、その際にエアコンにより冷やされた室内の空気を、外に捨ててしまっており、排出された空気の量だけエネルギーが無駄になっているのです。
また室内に入ってくる空気も屋外の比較的高温多湿の空気であり、エアコンはまたその分室内を冷やそうと運転しなければなりません。
無駄にしたくないという理由で換気をゼロにはできない為、その中で排出する空気内のエネルギーを再利用しようと開発されたのが、全熱交換器です。

冬場でも同様に、暖かい空気が捨てられておりますので、エネルギーが無駄になっている状態です。

全熱交換器は名前の通り、熱交換を行いながら換気する機器になります。
熱交換とは、実際にどのような仕組みなのでしょうか。
熱交換を行うエレメントと言われる部分は、特殊加工紙で作られています。この特殊加工紙は、熱と湿度を伝達する特殊な性質を持っており、この熱通過性と透湿性を利用して、外気と排気する空気がエレメントを通過する際に温度(顕熱)と湿度(潜熱)の交換が行われ、およそ70%のエネルギーが回収できます。
つまり全熱交換器を用いない通常換気と比べ、通常の30%のエネルギーで換気ができます。
全熱交換器の方式によって異なりますが、外気と排気する空気はエレメント内で混ざることなく、常に新鮮な空気を供給することが可能です。

換気設備から全熱交換器への入れ替え

全熱交換器が効果的な場所の条件

全熱交換器が最大限効果を発揮するには、全熱交換器の仕組み上、ある程度条件があります。
全熱交換器のおすすめの設置条件を2つご紹介致します。

①部屋の室温を換気しながら維持したい
夏は部屋を涼しく、冬は部屋を暖かく、きちんと室温を維持したいお部屋に向いている商品です。換気することで室内の室温と温度差の大きい空気が入り込む時に、より効果を発揮します。
尚、中間期と言われる春や秋は室内と屋外の温度差が少ない為、夏や冬と比較して省エネ効果が得られにくい傾向があります。しかし、中間期は急に寒くなったり、暑くなったりと外気温が安定しない季節にもなります。その際にも、全熱交換器の効果により室内の温度の急上昇や急低下を防ぐことに役立ちます。

②必要換気量の多い部屋
もう一つは上記の条件に加え、換気量が多い場合です。換気量が多いとは、例えば劇場のような室内の在室人数が多いほど、換気量が多い傾向にあります。商業施設やビル等では建築基準法やビル管理法等で高い基準の換気量が定められています。実際に人が建物内にいなくても、満員を見越した換気量が常に行われており、大変多くの空気が入れ替わりしており、捨てる・吸い込む空気が多いので、空気の入れ替わりの量に比例して、空調のエアコンは高い能力を求められてしまいます。換気量が多い場所は、大きな空調機(エアコン)の導入も伴う為、全熱交換器の効果を得やすい環境になります

※また顕熱交換器というものもあります。こちらは温度のエネルギーは熱交換させ、湿度はエネルギーは捨てたい換気の場合に用いられます。具体的には、室内プール等室内が高湿度の場合、カビ対策の為、湿度を屋外に排出したいところですが、全熱交換器を用いてしまうと温度に加え湿度も熱交換され比較的高湿度の空気が室内に供給されてしまいます。こちらはエレメント素材が透湿性のないプラスチック系の素材で作られています。

上記に該当する条件にて通常の換気設備をご使用されている場合には、全熱交換器への入れ替えをご検討されてもよいかもしれません。

適さない環境の例

続いて効果を発揮しにくい設置環境を見ていきましょう。

●排熱を目的に行う換気
例えば厨房ですが、ガスコンロや冷蔵庫は使用する際に設備から放熱があります。そのままにしてしまうと夏場は大変暑くなる為、熱を外に逃がす為に屋外に換気設備を使用して排熱を行うことがあります。厨房において環境改善する際に全熱交換器を用いた対策をしても効果はほぼ見込めないです。理由は厨房室内がそもそも暑い前提である為、室内の熱気を含む空気をを全熱交換器を通して屋外に捨て、特に暑くなる夏季の温度の高い外気と熱交換をしても室内に供給される空気の温度が高いままだからです。その為、全熱交換器の効果は得られず厨房の環境も改善されない状況になります。
また冬場も放熱で室内は比較的暖かい室温になりますが、ガスコンロや冷蔵庫等からの発熱で室温が上がるのをより抑える為に、冷たい空気を取り入れたいと考えるかと思います。しかし、全熱交換器を通してしまうと同様に屋外の涼しい空気へ屋内の比較的暖かい空気の暖かいエネルギーを熱交換してしまい、外気で室内温度を下げるということができなくなってしまう場合があります。

こちらに該当する場合には、全熱交換器のメリットの省エネ効果は見込めません。
きちんと適した換気量を確保できる換気設備に入れ替えることが重要になります。

全熱交換器の設置の具体例

飲食店の全熱交換器

飲食店には主に「お客様のエリア」と「厨房」2つのスペースに分けることができます。
前述したとおり、厨房またはキッチンは発熱機器がある為、全熱交換器の設置が適さないことが一般的です。

お客様がいるお食事エリアはどうでしょうか。
こちらは全熱交換器の効果を発揮しやすい設置場所になります。
他のことは気にせず、食事を楽しんでもらうには最適な室温湿度は重要な要素です。
よって空調機の設定温度もバックヤードとは異なり、常に快適な室温に空調を効かせています。
また換気も食事のにおいや油煙が充満しないように換気にも気を使われており、十分な換気量が確保されています。
十分な換気量の確保と空調機による快適温度の実現は、全熱交換器の活用がおすすめです。

また飲食店にはお手洗いがありますが、お手洗いには全熱交換器は適していません。
お手洗いに空調機が設置されている場合は大変稀であり、省エネ効果を高める空調機がない為、省エネ効果を見込みづらいからです。
実際に、お手洗いの空調は臭気の問題から廊下やロビー等の隣接する空間の空調された空気を2次利用することが多いです。

病院の全熱交換器

病院での全熱交換器の設置も大変有効である場合が多いです。

病院でも室内を高い衛生基準に保つため、十分な換気量が確保されている場合が多いです。
また待合室や病室等、体調が好ましくない方に適切な環境を配備するために空調も十分に効かせた環境になります。
換気で衛生基準を守りつつ、きちんと空調も行う病院は全熱交換器が適した環境と言えます。

しかし病院は外からの異物を通常よりも高い基準で除去しなければなりません。
その為の特殊なフィルターがありますが、フィルターを設けることで想定していた換気量が出ない場合があります。
導入前に専門家に相談することが重要になります。

全熱交換器は設置条件が大切。安易に導入しないこと!

換気、省エネといえば全熱交換器という風潮が昨今目立つようになりました。
全熱交換器は確かに省エネ性が高いの換気設備です。
しかし、設置環境を検証せず安易に設置してしまうと思うような効果が得られない場合があります。

またきちんと設置に適した条件を確認できている場合には、効果を最大化することができます。
換気設備から全熱交換器へ入れ替える際には、今回の記事の条件を参考にしてみてください。

室内温度と外気温度の差によって効果が変わってきます。検証は簡単にはできませんが、専門家に相談することで妥当性を確認することもできます。
詳しい方に相談することを推奨いたします。

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設備
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