食品工場の火災報知器/種類と事例を紹介

食品工場の中にはどんな場所にどんな火災報知器がついているでしょうか。実はいろいろな不具合、誤報に悩まされている方も少なくありません。大きな加熱調理室や温度の低い盛付室などが多数ある食品工場では、どのような対策が望ましいでしょうか。

   

火災報知器に関する事例

火事が起きていないのに防災監視盤が点滅している

「うちの工場では火災報知器の誤発報が頻発するので、音響装置がならないようにしているんだよね。」
本来、熱や煙を感知して火事を知らせる火災報知器ですが、食品工場では誤発報してしまう事もしばしばあります。
主たる原因はいくつかありますが、原因追及せずにベル(音響装置)がならないようにしてしまう事があるようです。誤作動が蔓延化すると、本当に火事があった際には発見が遅れ、大きな災害へ発展してしまう可能性もあります。火災報知器の仕様を変更する事で改善する事もありますが、食品工場では熱でも煙でもなく、別の要因で誤報する事がしばしば見受けられます。

築造の冷蔵庫には火災報知器がない?

築造の冷蔵庫、あるいは冷凍庫の中に火災報知器が設置されているのを見た事はありますか。これは管轄の消防署によって判断が異なるのですが、感知器の設置を除外できる場所というのがあって「結露が発生する場所」や「感知器の機能に支障をおよぼすおそれのある場所」という記載があります。ただし、その環境に適応する感知器を別に設置するという注意書きもあるので、築造の冷蔵庫や冷凍庫を作る際やそもそも間仕切り変更の際は管轄の消防署へ協議が必要です。

管轄の消防署によっては特例適用申請を出して下さいと言われる事もあります。
「消防法施行令第32条の規定に基づいて基準の特例を受けたいので、申請いたします。」
という内容になります。
※消防法施行令第32は簡単に説明すると、本来設置義務である消防用設備等が正常に機能しない場合に所轄消防(署)長が設置基準の緩和をするもの。例えば冷蔵庫であれば冷蔵設備から、庫内の温度異常を検知・発報する事で対応する事が多いです。

火災報知器の種類【熱を感知するもの】

差動式スポット型感知器

ダイヤフラムを内蔵していて、「膜」のような役割を果たし、ある一定時間に温度上昇した時、空気の膨張で接点感知するものです。火災ではないゆるやかな温度上昇の際には、リーク孔から空気が抜けていく仕組みです。

定温式スポット型感知器

任意の温度に達すると感知するタイプです。バイメタルと呼ばれる熱膨張率の異なる2種の金属が存在し、
決められた温度で接点感知する仕組みです。

火災報知器の種類【煙を感知するもの】

光電式スポット型感知器

内部に「発光部」と「受光部」が存在し、煙が侵入すると光の乱反射を感知して発報するタイプです。

光電式分離型感知器

内部の光センサーが煙によって遮られる事で発報するタイプです。

まとめ:対策は専門家へ

火災報知器(消防用設備等)というのは地域によって指導内容が異なります。加熱調理機の上部にある、排気フードの中にも設置を求められたりするケースも存在します。
指導内容は絶対ですので、食品工場での誤報対策は専門家へご相談いただいた方が、安全且つ早く解決できます。是非ご相談してみてください。