
興行場を運営する上で空調換気は欠かせない設備です。
しかし長年使っていると当然故障も増え、思ったように冷暖房が効かない。という症状も増えてきてしまいます。
今回は、空調機の更新を検討されている方、これから検討しようとしている方に役に立つ情報を提供したいと思います。

そもそも空調機を更新する理由は何があるのか
古い機械で、壊れて修理ができなくなり運転ができなくなるケース
空調機の更新を行うのに一番多い理由になると思います。
空調機が壊れて、修理をしようとしたらメーカーに修理部品がなくなっていて、
慌てて空調更新を検討する。という流れです。
何故このような事態になってしまうのかと言うと、
話を聞くと大体が下記のケースに当たります。
・保守点検を今まで実施していない
・機器の状態を把握できていない
・相談できる設備会社がいない
今まで保守点検しなくても、壊れたらメーカーサービス呼んで直していたので、問題ないだろうと思いしばらく放置した結果が、
慌てて空調更新を検討するというケースになります。
空調機はまだ動くが、修理部品の製造終了になっていることがわかったケース
空調機の修理部品はメーカーによって異なりますが、部品の保有期間を設けています。
一般的に、モデルチェンジで型番が変わってしまってから9年前後は修理部品を製造しているようです。
機器納入後9年間ではなく、納入した機器がモデルチェンジで変わってしまってから9年間となります。
なので、一般的にはいつ空調機のモデルチェンジが行われたのかがわからないため、相談できる設備会社に年1回でも定期的に機器の状態を点検してもらい、
オープン後10年近く経過している施設であれば、モデルチェンジした年を確認しておくことを推奨します。

更新以外で対処できる方法はないのか
オーバーホール案
興行場で使われている空調機は、商業施設や飲食店で見かける空調機とは違い、
大型の空調機が使われていることが多いです。
その為、簡単に空調機更新ができず、○百万、○千万、まとまった台数を更新しようとすると億を超える場合も出てきてしまいます。
そんな時に、空調機更新以外に機器を延命させる方法がないかと頭を悩ませる場合もあるかと思います。
そんな時に、可能性のある方法としてはオーバーホールと呼ばれる方法があります。
オーバーホールとは
“機械製品を部品単位で分解して掃除や調整、交換等を行い、再度組み立てて新品時の性能に近ずける作業”
のことを言います。
興行場で使われるようなエアハンドリングユニットと呼ばれる空調機であれば、部品は汎用性の高い部品で構成されているため、色々なメーカーの製品の組合せでオーバーホールを行うことができます。
エアハンドリングユニットの場合は、空調機更新の話が出ましたらオーバーホール案と比較してみるのがいいでしょう
製造終了前に修理部品の購入をする
エアハンドリングユニット以外の空調機は何もできないのか。
と思われてしまうと思います。
壊れて部品がなくなってしまった場合には、何もできることがありません。
なので、壊れる前に部品の在庫状況を確認して、
何個か主要な部品だけを事前購入しておくという方法があります。
この方法は、壊れる部品をある程度予測を立てて購入する場合があるので、
壊れた時に事前購入した部品で直せる保証は100%ではありません。
が、定期的に保守を行っている会社があればその会社と相談して、
延命処置として部品をある程度確保できていれば、空調機が壊れた時に更新せずに部品交換で対応。
という方法を取ることができます。

まとめ
空調機の更新の前に空調機のことを知ることが大切
空調機の更新を行う前に、下記の確認を行うことが大切です。
・エアハンドリングユニットなのか、パッケージエアコンなのかを確認
・今使っている空調機の型式、製造終了年数を確認
・使っている機械の状態
業者の言いなりで機器更新を進めてしまうと、
延命計画で済んだかもしれないのに、高額な費用を払うことになってしまう可能性もあります。
今の計画に疑問を感じることがありましたら、
セカンドオピニオンとして、計画を診断することもできます。
相談したいことがある方はお問い合わせからご連絡ください



映画館の保守業務に携わって10数年。
withコロナの時代に映画館に必要な設備とは?
映画館の進化に設備はどう対応していくか?
業界の人しか知らない、映画館の設備管理も熟知しています。
単なる設備保守業者ではなく、その映画館に、その担当者に、その会社に合わせた色んな悩みを一緒に解決することを生業としています!