
今回は植物工場の種類と仕組み、メリット・デメリットについて解説したいと思います。
植物工場と一口にいっても様々なタイプの工場があります。
大きく分けると、完全人工光型と太陽光利用型の2つに分類されます。それぞれの特徴をチェックしてみましょう。
植物工場の設備・運営に関するご相談多数
弊社は植物工場18工場の建設に携わる実績がございます。工場建設以外に、野菜生産・栽培コンサルティング(建設前の計画・運営等)から、商品開発まで幅広いご提案が強みです。植物工場でお悩みの方は是非ご相談ください。
植物工場とは
植物工場とは植物を生育する為の環境(温湿度・光・二酸化炭素・栄養)を管理された環境で安定的な野菜の栽培を行う工場です。現時点では葉物が多く育てられており、根菜類の栽培が難しいと言われています。また土の代わりに培養液が用いられることも多いです。
植物工場の設備には、生育する環境を維持する為の温度を維持する為の空調設備、生育に必要な光源の照明設備、二酸化炭素等を供給し循環させる換気設備、培養液循環させるためのポンプ設備、他にも棚等の栽培設備や消毒設備等があります。
植物工場の最大のメリットは、天候に左右されず安定的に栽培できる点です。昨今では雨天の日が少なく野菜が大きく育たない、雨天の日が続き野菜が病気にかかってしまう等の天候次第では収穫物に影響がでてしまいます。また収穫状況によってスーパーに並ぶ野菜の価格が高騰することも稀ではなくなってきています。植物工場では、雨天が多い少ない、台風の影響、病気の影響を受けることなく栽培することができます。
もう一つのメリットとしては、建物内などの密閉空間で栽培することで露地栽培の野菜と比較して、菌数を抑えることが可能と言われています。実際に野菜を可能する前に野菜を何度も洗う等、厳しい衛生管理が行われています。野菜を洗う水の量や殺菌液の使用量も多く、菌数が少ない野菜を提供できることは重要な観点となっています。
植物工場のデメリットは通常の露地栽培にはない光熱費がかかることです。安定的に栽培する為の設備が多く設置されており、そちらのランニングコストとして電気代や水道代が発生してしまいます。
こちらは設計時に省エネシステムを導入できているかが重要になります。
完全人工光型植物工場とは
完全人工光型植物工場は、野菜の光合成の光源として人工光を活用します。人工光としては近年ではほとんどの工場でLEDが採用されています。
また、外界の影響を受けないように閉鎖された環境で野菜を栽培します。
完全人工光植物工場のメリットは、天候に左右されないため季節に関係なく収量を高め、なおかつ安定的に生産することができる点です。
設置場所にもほとんど制限がありません。また、閉鎖環境で栽培するため、野菜に虫が付着することを防止できます。
とくに虫など異物混入の影響が大きい業務加工用の野菜にとっては大きなメリットとなります。
さらに、閉鎖された施設内では衛生的に管理することが比較的容易になります。
完全人工光植物工場のデメリットは、閉鎖された環境を作るためにしっかりとした建屋を建設する必要がありイニシャルコストが高くなる点があげられます。
また、光合成のために使用するLEDの電気代などのランニングコストも割高となってしまいます。
太陽光利用型植物工場とは
太陽光利用型植物工場はビニールハウスやガラスハウスの中で野菜を栽培します。
ビニールハウスやガラスハウスを透過した太陽光を利用して光合成を行います。
完全人工光型と比較したときのメリットは、イニシャルコスト、ランニングコストの低減です。
自然光を利用するため、光源に電気代がかからず、光熱費を低く抑えることができます。
また、太陽光は様々な波長域をふくむため、様々な品種の野菜を栽培することに向いています。
一方、デメリットとしては生産が安定しない点があげられます。
完全人工光型植物工場のように完全に閉鎖された環境をつくることは難しいため天候など外界の影響を受けることになります。
太陽光を活用するため、日照不足が続くと当然生産量が少なくなります。
また気温の上下によっても生育が早くなったり遅くなったりするため生産量を安定させることが難しくなります。
工場管理者の技量についても高いものが求められます。
また、完全に閉鎖された環境ではないため、虫など異物混入を完全に塞ぐことが難しくなります。
今では自然光と人工光のハイブリット型の植物工場も出てきています。そちらも是非チェックしてみてください。
まとめ
今回は、完全人工光型植物工場と太陽光利用型植物工場の特徴についてまとめました。
いろんな品種を栽培したい、レベルの高い衛生管理下で野菜を生産したい、とにかくコストを抑えたい、虫などの異物混入を防止したい、農業経験者でなくても運営できる工場が良いなど、もとめる野菜の品質、事業の目的は様々だと思います。
その目的に適した栽培方式を選択する必要があります。
植物工場の設備・運営に関するご相談多数
弊社は植物工場18工場の建設に携わる実績がございます。工場建設以外に、野菜生産・栽培コンサルティング(建設前の計画・運営等)から、商品開発まで幅広いご提案が強みです。植物工場でお悩みの方は是非ご相談ください。
