結露とカビ発生の仕組みを解説|メカニズム・原因と結露対策方法

常に室内の温度管理されている、もしくは機械設備がある空間には、結露がよく発生してしまいます。
こちらでは、結露とは何か、結露のメカニズム、結露からカビが発生してしまう仕組みをご説明しております。
また結露を放置する被害やカビの防ぐ対策も解説しております。

結露対策は周辺状況や建物の状況によって異なってきます。
結露の基礎知識として是非お役立てください。

   

結露が発生するメカニズム・原因と結露の種類

結露が発生するメカニズムと原因

まずは結露とは何か、メカニズムをご説明致します。

結露とは、室内と室外の温度差が大きい場合に、窓ガラスや壁面などの冷たい面に空気に含まれていた湿気が凝結して水滴となる現象です。特に寒い季節には内部の暖かい空気と外壁の冷たい面との間で温度差が生じやすく、その結果として結露が発生しやすくなります。



続いては結露の原因を説明致します。
結露は空気環境により生じてしまう為、主に以下の空気環境が原因となります。
①温度差
結露が発生する原因は主に温度差になります。前述した通り、室内の暖かい空気と冷たい表面とが接触することで、空気中の湿気が水滴として表面に現れます。空気とモノの温度差が大きくなると結露が生じてしまいます。特に結露は冬場において頻繁に見られる現象であり、窓の結露はその代表的な例と言えるでしょう。

②高湿度
また結露が生じてしまう原因としては、高湿度も関係しています。先程の原因の空気とモノの温度差が比較的少ないにも関わらず、結露が生じてしまう場合があります。こちらは、空気中に含む湿度が多いことで結露がしやすく、比較的やや冷たい物質にも関わらず表面に結露水が付着します。例えば、夏場の梅雨時期の外気は温度が高く多湿の状態です。天井裏やクローゼットの中など空気の流れがない場所は高温多湿の空気が滞留しやすく、エアコンの冷房が効いた空気が入り込むことで結露をしてしまうことがあります。

結露の種類

結露の種類は「表面結露」と「内部結露」の2種類に分けることができます。

【表面結露】
表面結露とは名前の通り物質の表面に水滴が付着して発生する結露になります。
床や壁、配管表面、窓・窓サッシ等の表面に水滴が付着している状態が該当します。
湿気を多く含むことができる暖かい室内の空気が、比較的冷たい建材に触れることによって表面が結露が生じます。

【内部結露】
内部結露は建物の外壁と内壁の間、もしくは天井裏等普段目にすることが少ない建物の構造内で結露をしてしまっている状態です。
こちらは断熱材に裂け目があったり、防湿対策が不十分である場合に、室内の湿気が構造内に侵入してしまうことが原因となります。
内部結露は発見が遅れることが多く、気づいた時にはひどい状態であることも多いです。

結露とカビ発生の仕組みと被害

結露のカビ発生の仕組み

結露の水滴によって常に湿度が高い状態は、カビが繁殖しやすい環境となり、その結果としてカビが発生し健康や建築物に悪影響を及ぼします。
カビが発生しやすい条件としては、「温度」「湿度」「栄養」があります。
①温度
15~30℃の間が発生しやすい環境と言われています。
また一般的には60℃以上でカビ菌は死滅(種類による)し、氷点下では死滅しません。

②湿度
約70%以上になると発生しやすいと言われております。
日本の多湿な気候は、さまざまなカビの生息地となりやすい環境と言えます。
カビの発生を防ぎ、人にとって快適な環境を保つ理想的な湿度は、季節や天候、室内の状況によって異なりますが、一般には50~60%が適正とされています。

③栄養
塗料やクロス、石膏ボード等の建材、埃やごみ、人の皮脂や垢等がカビの栄養素になります。
日常においては食品やシャンプー、石鹸カス等も栄養となり、定期的な清掃が重要になります。

【カビが発生する仕組み】
そもそもカビの胞子は土壌等に存在しており、空気中の埃や湿気によって空気中に飛散し、あらゆる所に付着します。
その上で、先程のカビの発生しやすい環境下で2~3日で増殖・目に見えるように(コロニー)なります。
また更に1週間経過すると胞子を作り、空気中に飛散してカビが拡大していきます。

結露・カビによる被害・影響

結露もしくはカビを放置してしまうとどのようなリスク・被害があるでしょうか。

●悪臭…菌類の繁殖時に出す老廃物の臭いがカビ臭となり、室内に広がってしまいます。
   菌が体内に侵入する可能性以外にも、臭いによって体調不良・不快な気分になってしまいます。

●アレルギー・喘息・アトピー…エアコン内部等のカビ菌が空気中に飛散し、人体に吸い込んでしまう
               ことでアレルギー症状が出てきてしまうことがあります。

●物の劣化…カビだけでなく湿度が高い環境をそのまま放置してしまうと家具や建材、土台などの
      建物へのダメージにつながります。またカビを清掃する際にの、洗浄剤でも建材に
      傷める原因になる可能性もあります。

●衛生管理の指導…建物の使用用途によっては一定基準の衛生管理基準を設けられています。
        特に食品を扱う室内や医療用途の場合、高い衛生管理を求められる為、
        カビが生じてしまった場合、指導・最悪の場合、運営に支障をきたす場合
        があります。

結露対策とカビの掃除方法

カビの原因となる結露対策

カビを防ぐ為には、結露自体の発生を防ぐことも重要となります。
前述した通りカビの発生原因は「栄養」「水分」「温度」の3つあります。そのうち、どれか1つでも抑えることができればカビの発生を防ぐことができます。


カビを防ぐ対策・方法は室内の温度と湿度を適切にコントロールすることが重要です。具体的には以下の通りになります。
①換気
適切な換気を行うなどが効果的な対策となります。換気により調理場や温浴施設では高湿度を屋外に排出することができます。
調理場や温浴施設では、調理工程や湯気などで湿度が大変高くなります。高湿度もカビが発生しやすい条件の為、きちんと屋外へ排出することが重要になります。しかし、梅雨時期等の屋外の湿度が高い場合は換気効果が低くなる場合もあります。
また空気の対流も結露に繋がる為、空気の流れをよくする意味合いでも換気は有効な対策になります。
換気により室内の温かい空気が外に逃げることがありますが、熱交換型の換気システムを利用することで、熱損失を防ぎつつ効果的に換気することが可能です。
熱交換型換気システムはこちら(顕熱交換器とは)

②断熱強化
断熱強化は結露防止だけでなく、エアコンの冷房効果・暖房効果を高めることに繋がります。断熱強化は窓の二重・三重構造等の断熱効果の高い窓にする、壁面・床・天井の断熱材の性能の見直しを行うことで可能です。また配管等の結露では、高性能な保温材・工事を行うことで防ぐことができます。こちらは、物体の冷たい表面に暖かい空気が接しないようにすることで結露を防ぐことができます。

③除湿機
結露カビ防止のため、除湿機の使用は非常に有効です。除湿機を活用することで、室内の湿度をコントロールし結露の発生を予防することができます。特に梅雨時期や湿気の多い日に室内の湿度が高くなりがちになり、換気しても室内の湿度が下がることはありません。このように除湿機を適切に使うことで、外気条件に関わらず除湿することができ、結露が発生しにくくなります。
除湿機は除湿したい空間に合わせた能力を選定することで効率よく結露対策を行うことができます。
除湿機には大きく分けてコンプレッサー式、デシカント式、ハイブリッド式の3つの種類があります。
・コンプレッサー式
 冷却コイルを用いて空気中の湿気を冷やし、水滴として取り除きます。
 このタイプは冷房機能として兼用できるものが多く、除湿能力も高く、
 湿度が高い日本の夏には特に効果的です。
・デシカント式
 吸湿剤を用いて湿度を吸収し、吸湿材をを温めて湿度を排出する方法です。
 音が静かで、空気が低温でも効率よく除湿できるため、冬場の使用に適しています。
・ハイブリッド式
 コンプレッサー式とデシカント式の良い部分を組み合わせたもので、
 年間を通して使い勝手が良いです。
関連記事『除湿方式の種類を解説【冷却式・デシカント式・コンデンス式】』


④温度差をつけない(温度を上げ過ぎない)
室内温度のコントロールは結露防止に効果的な手段の一つです。温度差が結露の原因となる為、暖房時期は温度設定を上げ過ぎないことで温度差を付けないことも一つの対策になります。また湿度が高い梅雨時期には、エアコンのドライ機能を使用して湿度を下げることも有効です。

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カビの清掃方法

結露を完全に防ぐ対策を実施することが難しい場合も考えられます。
そちらの場合、結露が生じてしまったところを放置せず拭き取るということが大変重要になります。

また発生してしまったカビの清掃方法も重要になります。
①カビ取り剤
カビ取り剤はカビ菌を色素ごと破壊し、目に見えなくすることができます。表面的なカビの色は消えますが、内部のカビ菌は生きています。
しかし、見た目が大変キレイになる為、一般的に家庭用として多く販売されています。
塩素系の洗剤となる為、手袋やマスクをした上での使用、酸性洗剤と同時に使わない等の注意点もあります。

②アルコール
アルコールでの拭き取りも、一部のカビ菌には有効になります。アルコールによるカビ清掃の注意点としては、アルコール濃度が70~80%を選び、布に染み込ませた上で、カビ部分を拭き取ることが重要になります。アルコール濃度が低いとカビ菌が死滅せず、またカビ部分にアルコールを吹き付けてしまうとカビ胞子が飛んでしまいます。アルコールのメリットとしては、カビ取り剤と比較して安全性が高く、使用できる素材の範囲が広いことになります。

③布地の場合は洗う
カビの種類にもよりますが、布地にカビが発生してしまった場合、洗濯でもカビの除去が可能です。
酸性系漂白剤に漬け込み、洗濯することで清掃することができます。
塩素系漂白剤は色落ちをしてしまう場合があるので、使用する際には注意が必要です。

④防カビコーティング
防カビコーティング剤はカビの胞子が育つのを防ぎます。この機能はコーティング剤に含まれる化学成分がカビの栄養素の吸収や水分の保持を妨げることができます。また、防カビコーティング剤には水をはじく撥水性もあるため、結露による濡れを抑えることができ、カビの生育環境を阻害することができます。

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まとめ:結露を事前に防ぐことで周辺被害や建物劣化の軽減に繋がる

結露のメカニズム、結露からカビが発生してしまう仕組みはご理解いただけたでしょうか。
またカビの防ぐ為には、結露が発生しない対策が必要となり、結露対策には様々な手法があることもご理解いただけたでしょうか。
どの結露対策方法が適切かは、周辺状況や建物の状況によって異なってきます。
おすすめの方法は一概には言い切れませんので、一度専門家にご相談することが重要となります。

また結露が生じてしまうと水滴により建材の劣化やカビの発生、室内空気環境が悪化する原因にもなり、最悪人体への悪影響も考えられます。
建築物・室内の人を守る為にも結露対策は大変重要な項目です。
是非、対策でお悩みの方はお問合せからご相談ください。

作者名
衛生設備食品
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